松井の移籍先球団はどこか

 メジャーリーグも、ストーブリーグたけなわになってきているといったところか。恒例のGM会議が行われ、これからは本格的にFA選手獲得の争奪戦も行われていくことだろう。なんといっても気になるのは、1年限りでエンゼルスからFAになった松井が今度はどこの球団に行くかである。

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 エンゼルスとは1年契約だったから契約切れではあるが、来季以降のオファーはなかった。エンゼルスが地区優勝を逃したこと、松井がシーズン中盤に長期間不調だったこと、来季に向けてのチームの若返りの事情などから、松井の居場所がないのが実情のようだ。特に外野手の若返りをはかっており、シーズン終盤ではセンターに若手を入れるために、あのトリー・ハンターでさえ、センターからライトにコンバートされた。もともとライトだったアブレイユはレフトに回され、松井はレフトの守備機会もなくなっていた。そして来季は松井に代えて、アブレイユをDH専門に回す構想だという。アブレイユは来季は2年契約の2年目なので残った形だ。


 松井獲得を狙っている球団の1つとされるタイガースでは、昨年ヤンキースから松井とともにFAとなってタイガースのDHとなっていたジョニー・デーモンが、やはり今季限りでタイガースからFAになるという。その後釜に松井を狙っているというのだから、なんとも皮肉な話だ。松井もアブレイユもデーモンも、かつてはヤンキースで同僚でありライバルでもあった関係であるからだ。また松井の前にエンゼルスのDHだったゲレーロも、今季のレンジャーズでの活躍に拘わらず、FAとなっている。


 現状では松井獲得を狙っている球団は、アスレチックス、ホワイトソックス、タイガースではないかという。アスレチックスはすでに楽天・岩隈を獲得しようとしている。岩隈からすれば、もし同じ球団に松井がいてくれたら、メジャー1年目でこんなに心強いことはないだろう。ただメジャーは球団が「関心がある」と実際の獲得までには大きな開きがある。松井といえども、あくまで候補の1人に過ぎないのであって、実際の移籍先球団はまだ予断を許さない。だからこそメジャーでは代理人の交渉力がモノを言うことになるのだろう。


 エンゼルスでの今季は期待通りの働きができなかった結果だが、ヤンキース時代は松井が不調でも他の選手の層が厚かったのでチームの勝敗にはそれほど響かず、松井も調子を取り戻しやすかった面もある。エンゼルスでは松井の不調が、そのままチームの敗戦につながりやすかったようだ。その結果、印象としては敗戦の責任を負ってしまった。主軸打者としては当然ではあるが、年齢的なものばかりでなく、ヤンキース時代に比べて精神的な余裕がなくなっていたことが、なかなか不調から脱出できないことになったのではないか。


 どこに移籍するにしても、またマスコミや広告を含めた大移動が起こりそうだ。最近は日本人選手のメジャーと国内球団との出入りが激しいが、松井にはメジャー球団で腰を落ち着けた活躍してほしいものだ。