次世代タブレットPCの機能

 はや年末で、12月になるとすでに発表されていたタブレットPCスマートフォンが年末商戦に登場してきそうだ。iPadの出荷からすでに半年以上経過したわけだから、ライバルメーカーとしても年末から来春にかけてが、この市場に残ることができるかどうかの正念場だろう。

2011年のタブレットに望む機能(ITmedia)
次世代iPadに望む5つのこと(11.26)

 まだタブレットPCiPad以外はまともなものが登場していない段階なのに、すでに次世代タブレットPCへの要望が示されている。メーカーのタブレットPCのコンセプトも重要だが、そもそもタブレットPCにユーザはいったいどこまで望むのだろうか。

 iPadが登場した頃は、電子書籍リーダーとしての利用が主だったはずだ。それをiPhoneで成功したOSに画面を拡大しただけのような形で、先行するKindleなどに対抗しようとしたもののようにとらえられた。iPodでは音楽を、iPhoneでは携帯電話を、そしてiPadでは書籍を飲み込んでしまうもののようだった。


 ところが他のメーカーがiPadを追撃するコンセプトを打ち出してくるにつれて、単なる電子書籍リーダーではなく、既存のノートPC、ネットブックの代替も可能なデバイスとして考えられるようになってきた。もともとタブレットPCは、スマートフォンとノートPCの中間のような位置づけになっているから、こうなってくるとスマートフォンとノートPCの両方の機能が期待されるようになってしまう。記事の要望などは、まさにタブレットPCのノートPC化を要求しているようなものである。これはネットブックに期待された、何でも既存ノートPCの機能を期待されたことにも似ている。その結果、ネットブックは当初のコンセプトが薄れてきて、何やら格安ノートPCの位置づけになっていったように思えてならない。そうなると、ユーザは従来のノートPCと同様の機能、パフォーマンスを要求するようになるから、逆に不満も増してくる。ネットブックのブームが去りつつあるのは、タブレットPCの流行ばかりが理由でもないだろう。


 そして同じようにタブレットPCにノートPCの代替を期待するようになる。それには最大の問題はキーボードだと思われるが、それすら外付けキーボートなどにして無理やり既存PCのように使うようにするのだろう。そのうちタブレットPCでも「Officeを使う」などということになりかねない。Office Web Appsでもよくなるかもしれないが、電子書籍リーダーだけのコンセプトはもはや薄れかかってきている。モバイルだ、Flashだ、動画だ、ビジネス文書だ・・というように、AppleFlashを排除したがっているだけに、逆に対抗のタブレットPC側では何でもありの話になりそうだ。