Microsoft Security Essentials 2を公開

 無料のマルウェア対策ソフトであるMicrosoft Security Essentialsのバージョン2が公開された。機能がアップされ、ますます有償のセキュリティソフトに近づいたという感じだろうか。

MS、無料の「Security Essentials」バージョン2を公開(INTERNET Watch)
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ウイルス、スパイウェア、マルウェア対策 | Microsoft Security Essentials

 Security Essentialsはマルウェア対策だけを提供しており、有償のセキュリティソフトで提供されるパーソナルファイアウォールだとかフィッシング対策だとかは付随していない。ただ、よほど怪しげなPCの利用をしなければ、マルウェア対策だけで十分と思える。パーソナルファイアウォールを厳格に施すPCは組織内部のものとか、利用目的が限定されたものになるだろう。もっともそうしたPCはクライアントにばかり頼らずに、サーバーやルータのファイアウォールやプロキシーなどトータルのセキュリティが考えられなければならならい。フィッシングに至っては、これは人間の啓蒙の話に近い。わざわざセキュリティソフトの警告に頼るものではないだろう。


 ただ初心者も含めたプライベートで利用するためには、いくらでもうるさい機能を付ける必要があるというのがセキュリティソフトを提供する側の発想ではある。現にGumblar(ガンブラー)ウイルスなど、FlashやPDFが提供されているサイトにアクセスした途端に感染するというものが出現しているようなので、セキュリティソフトにはリアルタイムで警告を発したり対策を施す必要が出てきている。


 そうした方向で「リアルタイム保護」の機能が新バージョンでは拡張されているようである。いきなりアップグレードしたら以前のバージョンの画面がどうなっていたかわからなくなったので、適当な画像を他所からもらってきたのと設定画面で比較してみた。何が変わったか。背景の色が変わった(冗談)。



従来バージョンの「リアルタイム保護」の設定



バージョン2の「リアルタイム保護」の設定


 また新たに「Windowsファイアウォールと連携し、ファイアウォール機能を設定できる機能も搭載した」とのことであるが、設定画面からはどれがそれに対応しているのか、よくわからなかった。ヘルプによれば「Windows ファイアウォール との統合: Security Essentials セットアップで、Windows ファイアウォールを有効化または無効化できます。」ということになっている。アップグレードの時には、特に何も聞かれなかったような気がする。さりげなく、Windowsファイアウォールと統合されてしまったのかもしれない。いずれにしても、うまく利用すれば、ますます有償のセキュリティソフトは不要になってくるようだ。