Skypeで大規模障害

 ユーザ数が増大してくれば、こういうこともあるだろうと思わせたのが今回のSkypeの大規模障害である。個人的には最近海外の知り合いと疎遠になったこともあり、ややご無沙汰だが、国内というか近隣でも、必要なときにいちいち携帯やメールでやりとりするのが面倒なので、Skypeでやろうという要請はある。

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 数年前、Gmailさえダウンしたことがあったから、どんなシステムでも絶対ということはない。1度はこうした大規模障害の痛手を経験して、さらに強化されることになるだろう。障害の原因はどうも不可抗力的なものではなく、一部のソフトウェアの不具合により、スーパーノードがダウンしたままになっていたということらしい。まだ完全には復旧していない模様で、攻撃の可能性も含めてまだ根本原因は明らかではないようだ。


 こういう障害の事態になると、あらためてSkypeの現状の置かれた重要な立場が浮き彫りになる。Gmailと同様、障害の影響は瞬時に世界中に広がる。簡単に言えば、いつのまにか世界中の無料国際電話を一手に引き受けているようなものだ。母国を離れ海外で暮らす人や、海外旅行中に家族と連絡をとりたい旅行者にとっても、もはやSkypeは必須のものになっていると感じる。それどころか国内でさえも積極的にSkypeを使うようになるだろう。IP電話ということが言われて久しいが、事実上Skypeがその主流になってしまっているといってもよいだろう。そこでは必要なものは電話番号ではなく、IDかメールアドレスであるといってもよいだろう。最近のauのように「AndroidスマートフォンSkypeが使えます」というのは象徴的なことのように思える。電話会社はもはや音声通話のサービスすら提供する必要がなくなり、プロバイダと同じように回線だけを提供すればよいことになる。


 今回の障害で一時的にはSkypeへの信用が落ちることもあるだろうが、ユーザ数は増える一方だろう。GoogleYahoo!でも同じようなことはできなくはないが、知名度とみなが使っているという点ではSkypeが圧倒的ではある。規模的にもクラウド的なサービスになっているといってもよいだろう。