Google Appsが送信ドメイン認証「DKIM」に対応

 常々、電子メールは既に過去のネットの技術であり、将来的には使われなくなるのではないかと思っているのだが、送信ドメイン認証の「DKIM」は電子メールを延命させることができる技術となるのだろうか。今回はGoogle Appsがこれに対応した。

Google Appsが送信ドメイン認証の「DKIM」に対応(INTERNET Watch)
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 「DKIM」は電子署名を送信サーバー側で付加して「なりすまし」を防ぐ技術であるそうで、独自ドメインのメールサーバーを持つ組織にとっては、どこかで勝手に送信者のドメイン名を語られて大量のスパム送信に利用されることを防ぐことができそうだ。


 Gmailはもともと受信側のスパム対策は強力だから、ふだんあまりスパムを意識しなくても済むのだが、DKIMの導入はGoogle Apps独自ドメインのメールサーバーを運用している組織にとっては、ありがたい機能である。運用管理者にとっても、これで「お前のところからスパムがいっぱい届くよ」という濡れ衣を着せられることもなくなりそうだ。


 自分も独自ドメインで運用するGoogle Appsの管理者の一人にもなっているが、Google Appsの機能そのものよりも、カギはDNSサーバーのMXレコードの手動での設定になっていると思われる。DKIMの導入に関しては、管理者メニューからの設定と、DNSサーバーのアップデートの必要になるようである。


 国内の大手サイトのメールサーバーへのDKIMの導入はほとんど進んでいないようで、今回のGoogle Appsの対応が、導入を加速させることになるかもしれない。自分の経験によれば、こちらのサイトのメールアドレスを語るスパムやYahooドメインを語るスパムが特に多い。楽天関連は広告メールそのものがスパムに思えてしまう。そのうちDKIMで認証されていないドメインからのメールは、ブラックリストに載ってはいなくても受信を拒否されるようになるかもしれない。