FacebookとMySpaceはなぜ差が付いたか

 FacebookMySpaceは、なぜ立場が逆転したのだろうか。急上昇の右肩上がりのFacebookと明らかに下降気味のMySpaceである。4年ほど前はMySpaceがユーザ数をどんどん伸ばし、名実ともにSNSのトップだった。いまやFacebookにその地位を明け渡している。

MySpace、スタッフを約半分に削減(ITmedia)

 MySpaceが「日本上陸」とされたとき、真っ先にユーザ登録をしたものだが、ほとんど活動することもなく現在に至っている。mixiがあるからとはいえ、周囲でMySpaceをやっているという話も聞いたためしがない。なんとなくイメージ的には無名のミュージシャンが活躍する場というものであったが、相手がいないこともあるが、自分はあまりコミュニケーションを行う気にはなれなかった。何をやっていいかわからないという点ではGoogleOrkutも同様であった。


 Facebookは不特定多数とのバーチャルのコミュニケーションをベースにしているのではなく、リアルのコミュニケーションをベースにしたネットワークのコミュニケーションといえるのだろう。リアルのコミュニケーションを融通したり補完したりするものともいえるだろう。実名主義と言われる点はこのコンセプトによるものだだろう。離れた家族同士、友人のネットワークが出発点にあるだけに、地に足が付いたものといえるかもしれない。


 対して不特定多数のコミュニケーションをベースにしていると、初めのうちは興味を引かれるが、やはり長続きしなくなる。そしてビジネスにも利用しにくいことになる。根本的にはリアルかバーチャルかのコミュニケーションの違いが、結局は差が付く要因になった気がする。ネットとはいえ、やはり利用する人間にとってはリアルの方が結びつきや継続性は強い。


 さて国内では、FacebookにしろMySpaceにしろ、まだよその国の話という感がする。mixiも含めて、SNSがネットの中の重要部分を占めるというところまで行っていないからだろう。これは欧米人と日本人のコミュニケーションに対する文化の差のようなものが影響している気がする。