Googleのクラウド印刷がモバイルでも可能に

 そろそろクラウドに接続するというだけでなく、クラウドで何が行えるかという段階にきていると思えるが、Googleは「Google Cloud Print」というサービスを実現させる。クライアントPCにはプリンタ・ドライバーのインストールが一切不要で、なおかつAndroidiPhoneからもプリンター出力が可能になるという。

クラウド印刷サービス「Google Cloud Print」,iPhoneやAndroidに対応(INTERNET Watch)
Googleのクラウド印刷サービス「Cloud Print」がAndroidとiPhoneに対応(ITmedia)
Google、クラウド印刷サービス「Google Cloud Print」を発表(2010.4.18)

 今では、組織の中ではLANからの印刷が普通になっているが、かつてはPC1台にプリンター1台をわざわざ接続して利用したものだ。だからPCを購入するときにプリンターもセットで販売していた。それがPC1台ごとに稼働率が低いプリンターを配置するのは無駄ということで、ようやくLANが普及してきてからプリントサーバーの発想が出てきたわけである。LANへの接続によって何ができるのかといえば、ファイルサーバーとプリントサーバーへの接続が2大機能だったと記憶する。ネットの普及からクラウドへ進展して、この両者とも古い発想になりつつある。


 まず、ファイルサーバーはクラウドのストレージサービスへと移行することができるから、今度はプリントサービスもということになる。ブラウザを開いて、クラウドへ印刷設定だけをすればよさそうになる。OSの種類やプリンターの機種によらないということになる。スマートフォンから印刷命令を出せることになれば、少し変わった使い方もできるようになるかもしれない。設定さえされていれば、かつての紙のFAXのように相手方に文書の書面を印刷出力させてしまえることになる。これまではメールでファイル添付していて、相手方がそれを印刷していたりしたものが、スマートフォンから外出先からでも、ダイレクトにプリント印刷させることができる。もちろんFAXなどより、はるかに高精度であるから、そのまま必要書類として使える。


 PCの普及時代には、やたらプリンタで紙のゴミを出力するという無駄が多かったが、PDF文書が普及してきてからは、それも少なくなりつつある。クラウド印刷が可能な時代になると、一見どこにでも野放図に印刷できてしまいそうな気はするが、むしろ逆で、いつでもどこでも印刷できるとなれば、本当に必要なものだけが印刷されるだけで、あとはクラウドで文書は共有されているし、画面でも見られるから十分ということになっていくのではないか。クラウド印刷は、印刷する紙の量やプリンタの台数を増やすのではなく、減らす方に働くことになるだろう。