サッカー日本代表、アジア杯優勝!

 W杯後の公式戦のアジア杯で、日本が通算4回目の優勝を飾った。W杯や五輪に比べれば、これまでアジア杯はそれほど注目されていなかったが、今回は違った。W杯の活躍での余韻と、ザッケローニ監督率いる若い日本代表に注目が集まっていたといっていいだろう。期待された上で、その期待に見事に応える活躍ができたのだから、サッカー日本代表も強くなったものだ。

日本、激戦制しアジア杯4度目の優勝!(SANSPO.COM)
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ザック監督「最高の勝利」/アジア杯

 試合の細かい戦況はいろいろなところで論じられるだろうからともかくとして、ここまで短期間で日本代表が成長してきた要因は何か。簡単に言えば、選手の世代交代と、そのタイミングで就任したザッケローニ監督の存在だろう。


 現在の日本代表はいわゆるベテラン選手が居なくなった。主力は20代前半の選手である。以前であれば国際試合の経験豊富なベテランがチームを引っ張るという形だった。それが良いときもあるが、若い選手とうまく噛み合わずにチームが機能しないということもあった。この形を最後に断ち切ったのが、W杯での岡田監督が中村俊輔を外したことによるものだろう。昔はベテラン選手と若い選手との実力の格差が大きく、そうしたことは不可能だった、レギュラー選手と控え選手の格差が大きかったのである。しかしJリーグ発足からほぼ20年、確実にトップレベルの底上げがなされてきていたようだ。


 そしてザッケローニ監督である。なにしろザッケローニ監督になってから不敗神話が続いている。就任当初からこのイタリア人監督は、案外日本人選手の気質と合うのではないかという雰囲気があった。個人的には最初のインタビューの時に「ヨロシクオネガイシマス」と日本語を使ったところに、この監督の人となりを見た気がした。イタリアではもう過去の監督のような見方をされていたが、選手の気質とチームが変われば、やはり力のある監督のようである。日本人選手はもっと自信を持ってよいと言うだけに、若い選手に対する精神面での影響力も大きかったようである。それが若い選手が多い代表とうまく噛みあい、ベテラン選手に頼らずともチームが団結できる原動力となっているようだ。選手起用も控え選手の起用がズバズバ当たっている。本来代表選手は控えといっても、所属クラブではトップ選手なのだから、起用場面によっては活躍して当たり前のはずであるから、やはり選手をよく見ている監督の采配の力である。


 今回のアジア杯では、日本、オーストラリア、韓国がアジアの強豪国となっていることがわかった。しかしこれからは、欧州、南米の国と対等な戦いを繰り広げて、面白い試合を見せていってほしいものだ。