新聞サイト見出しの2ちゃんねる化

 「これはひどいw」とでも書きたくなるような話ではある。リビア情勢は、決しておちゃらけの話ではないだけに、なおさらである。プライベートでの2ちゃんねるへの書き込みならまだしも、ニュース記事を書くのを生業としているマスコミがこれでは、という気はする。

「新聞サイト見出しの2ちゃん化」続出、..(INTERNET Watch)
カダフィ人生オワタw 公安相も反体制デモ支持(ZAKZAK 2.23)

 以前にも、朝日新聞の社員が2ちゃんねるに差別的な発言を書き込んだことが発覚したことがあった。2ちゃんねるはその表現方法をむしろ隠れ蓑にして、様々な立場の人が書き込んでいるであろうことは容易に想像はされていた。それはネットに批判的だった、マスコミ自身の人間も書き込んでいることも証明したようなものだった。2ちゃんねる自体も30代から40代の世代が中心と思われているが、マスコミでも中堅の世代だろう。


 ネットの初期の頃は、マスコミはネットに対して敵対的だった。古株の某キャスターなどは掲示板を「便所の落書き」などと堂々と論じていた。しかし時代が進み、ネット世代がマスコミの中堅も占めてきたのだろう。本来、仕事での文章の表現とプライベートでの表現は厳格に分けなければならない。それはマスコミに限らず、どんな仕事でも常識である。


 ところが夕刊紙やスポーツ紙のそうだが(週刊誌も)、タイトルから関心を引くようなものを付けようとする余り、つい軽いノリにしようとして、プライベートでのクセが出てしまったのではないかと思える。あるいは2ちゃんねる表現は多くの読者に受け入れられるものと思い込んでいるのか。記者が付けた記事であっても編集段階でボツにはできたであろうが容認しているところをみると、それだけ2ちゃんねるがマスコミ内にも浸透してしまっているということか。確かに記事に対する反応を手っ取り早く調べるには、2ちゃんねるを見るのが早いかもしれない。しかしそこには、すでにかつての「マスコミの矜持」のようなものは感じられない。


 日本のニュースの中では、いまだにしばしば「インターネットの掲示板では・・」という採り上げ方をしているが、「インターネットの掲示板」は現在では2ちゃんねるしかないようなものだ。個人的にはマスコミは、まだ2ちゃんねるをネタにしているのかという気はする。世界の情勢は、FacebookTwitterYouTubeなどに影響されているというのにである。2ちゃんねるとともにマスコミもガラパゴス化しているのかもしれない。