大学入試の試験中に問題がネット流出

 国立大学入試が終わったばかりだが、世の中では携帯電話からネットに入試問題が流出したという「事件」が騒がれている。試験中にリアルタイムにというから、時代を反映しているとは言えそうだ。ただ流出先が「Yahoo!知恵袋」というのは、やや幼稚さも感じさせる。

大学入試:ネットに京大問題 4大学で同一名投稿(毎日jp)
大学入試:京大入試中、ネット流出 英数の問題「解答教えて」..

 以前、大学の定期試験で同級生同士が試験中に携帯電話でカンニングしていたという話があったが、携帯電話がこれだけ当たり前に普及しているだけに、見逃されているだけでありうる話ではあるだろう。その後、携帯電話は低学年層にも普及しただけに、大学入学以前にかなりの強者の使い手の高校生も多くなっているだろう。


 すでに警察沙汰になっているので犯行手口は明らかになってくるだろうが、本当に携帯メールだったのだろうかという疑問は残る。いかに片手の携帯打ちが速いからといって、1問丸々入力するのを試験監督の目を盗みながらというのも、リスクが高すぎるような気はする。机の下でブラインドタッチで送信したとでもいうのだろうか。


 それよりも、試験中に出してはいけない携帯電話なのではなく、ひょっとしたらカメラ付き腕時計で問題文を撮影した可能性はないのだろうか。それには腕時計で撮影した画像の送信機能が必要である。詳しくは知らないが、まさにスパイカメラの世界である。ネットへの投稿は、送信先の外部協力者が行ったものかもしれない。返信の解答も当然、腕時計で受信できるものだろう。そこまでの機器と使いこなす技術が受験生に可能かどうかはわからないが、マスコミが強調するような犯行が携帯電話だけで行われたという先入観は持たない方がいいかもしれない。とかく大人は、若者の携帯電話には事あるごとに批判的だからである。今回の事件が、またすぐ、いろいろな場での携帯禁止とか規制の話に繋げようとする論調には、やや閉口させられる。これは世間一般のモラルの問題ではなく、特殊な人間のただの犯罪行為だけだからである。