Gmailでまた障害発生

 Gmailで「また」障害が発生したとのことである。「また」というのは、1年半ほど前にも広い範囲で障害が発生しているからである。アップデートの際の単なる人為的ミスではなく、膨れ上がるGmailの規模に思わぬ障害が起こる確率が高くなっているのかもしれない。

Gmailでメールが消えた問題、完全復旧はまだ(ITmedia)
Gmailで障害発生 一部ユーザーのメールなど消える
「負荷を過小評価していた」―Google、Gmail障害の原因..(2009.9.2)
Gmail、約6時間にわたりダウン(2009.9.2)
Google AppsとGmail、一部ユーザーで15時間にわたる障害(2009.8.8)

 Googleの現在のクラウドの原点は、検索システムよりもGmailであるといってもよいだろう。それに各種のWebサービスを連携させたものがGoogle Appsになっている。そのGmailに何か障害が発生すると、単にメール送受信だけでなく、Google Apps全体が影響を受けることになる。仮にGmailの障害の原因が小さなものであったとしても、その障害の影響はクラウドのスケールで増幅されてしまう。国とか地域とかはあまり関係がない。ある意味、不安定なシステムになっているといってもいいのかもしれない。


 ユーザがアプリケーションをアップデートする必要はないから、サービスの更新の内容についてはGoogleの事後報告を参考にするしかない。大きなアップグレードは手動でタイミングを選択することもできるが、マイナーなアップデートならば、朝起きてみたら画面が変わっていたなどということもしばしばである。だが、朝になったら接続できなくなっていたでは、もうお手上げである。そしてここにクラウドに対する不安がある。


 かといって、いったん自前のメールサーバーからGmailに移行してしまったら、もう元には戻れない。自前のサーバーに比べれば、Gmailがダウンする確率ははるかに低いのだが、ダウンしたとき何も手が出せない、自らは障害復旧のしようがなく、Googleの報告待ちするしかないという状況に不安を感じるのである。特にGoogle Appsをビジネス系で利用しているような場合には、万が一か、千が一にダウンした場合の影響への対応を用意しておく必要はあるかもしれない。かく言う自分は、管理権限を持つGoogle Appsのアカウントを含め、プライベートと合わせて、7つほどGmailのアカウントを利用している。