日本ハム斎藤佑、巨人相手にプロ初勝利

 やはり「何か持っている」のか、斎藤佑樹が巨人相手に登板、3回を2安打無失点に押さえ、直後に味方打線が得点したことにより、オープン戦ながらプロ初勝利まで飾った。今年の新人投手の中でも初勝利で、これでサムスン、ヤクルト、巨人相手に通算7回無失点だという。

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 プロ入り後からフィーバーは続き、かつての「ヨン様」ブームのときのようなオバ様人気が高いのではないかと思わせるが、本当にプロに通用する実力があるのか不安視する向きもあった。それは大学3、4年の頃、伸び悩んでいたようにも見えたからである。世界大学野球選手権で満塁本塁打を浴びたり、東大に負けたりもしていた。


 プロ入りしても斎藤よりも剛球を投げる投手は沢山いる。同じチームでは、どう見てもダルビッシュとはスピードや球威はもちろん、そのベースになる体格差がありすぎる。同世代でも巨人・澤村や西武・大石の方が150キロ超の剛球投手タイプである。プロでは先輩格になったマー君もそうである。人気面ではともかく、斎藤の方が投球では目立たないくらいだ。


 ではプロの評価は、もっと手厳しいものかと思っていたら意外とそうでもない。TBSで野村監督との対談をやっていたのが面白かった。野村監督得意のボヤキで、斎藤の欠点をビシビシ指摘するかと思いきや、欠点がないと言っていた。スピードよりはコントロールであると、最後に「大丈夫、骨がある」とむしろ褒めていた。



野村克也×斎藤佑樹対談


 タイプ的にも体格的にも最も似ている桑田氏も、キャンプで斎藤を視察したとき「クレバーな男ですから」と特に何も注文は付けなかった。そして今日の「喝」のサンデーモーニングではあの大投手・金田正一氏がゲスト出演していたが、「斎藤はプロで活躍できるか」の問いに「そこそこやれるでしょう」と断言していた。「高校、大学とトップを取った男」であるからという。金田さんは以前からハチャメチャなところがあるが、さすが大投手だけに、特に投手の話についてはよく見抜いていて、張本さん以上に歯に衣着せぬことをズバリと言っていると思えることも多かった。その金田さんからもお墨付きをもらったようなものだ。


 そして今日の巨人戦、原監督が試合後、特に斎藤のコントロールについて「一球一球、意味のある球を投げていた。投手として大事な部分を、しっかり持っている」と評価していた。目には見えないこの辺が、斎藤が大学時代に身に付けてきたものなのかもしれない。そういえば似たような言葉で「どのボールにも意図があった」とは、メジャーの舞台で桑田と対戦したときのイチローが発したものであった。やはり斎藤に期待するのは、こうした投球術だろう。