インテル長友、欧州初ゴール!

 見事なゴールだった。まさかDFでありながら、それもセリアAのトップレベルのチームでの堂々としたゴールである。日本のサッカーのレベルを欧州に見せつけた、歴史的ゴールだった。

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 昨年のW杯から日本代表の注目選手といえば本田、その後にブンデスリーガで開花した香川、そしてアジア杯後インテルに移籍した長友である。サッカーのメジャーリーグに行っただけでも凄いと思われているが、さらにそこで結果を出しているのだから、歴史を変えたといっていいだろう。


 これまで欧州のクラブに渡った選手は、FWやMFが多かった。特に中田や中村、松井といったMFが日本の選手には適性が高いのかと思っていた。FWやそれに対抗するDFは技術面ばかりでなく、やはりフィジカルが強くないとトップレベルは難しいのかもしれない。しかし小兵の長友はその先入観も、技術とスピードでカバーしているようだ。


 全体的にインテルのパスワークは速いが、その中で長友もパスを受けてからが速い。170cmの小柄ではあるものの、まるで幅跳びか三段跳びのような駆け上がりである。ハーフラインからあっという間にドリブルで相手ゴールエリアまで突入である。サイドにパスを回してから返ってきたときには、まるでFWのようなポジションで、FWも真っ青のようなゴールを決めた。後半からの投入と、リードしていた試合展開ならでは動きとはいえようが、DFの働きというものの先入観まで覆してしまうようなプレーだった。



長友、欧州初ゴール!


 ゴール後は、エトーらトッププレーヤーも巻き込んだ「お辞儀」のパフォーマンスも受けたのか、イタリアの大観衆から湧き起こった「ナガトモ」コールにも驚かされた。日本のサッカーのレベルを知らしめたとともに、強力に長友を推薦したとされるザッケローニ監督の株をまた上げたともいえるだろう。