大津波被害と原発危機

 一晩明けたら、大地震津波の被害の実態の甚大さがわかってきている。三陸の海岸沿いの町では、津波に飲み込まれて町全体が壊滅しているところが何カ所もある。病院や学校など、かろうじて立っている建物に取り残されて、周囲は泥水だらけで孤立している人々もいる。逃げ遅れて犠牲になった人はどれだけいるのかも不明である。町の人口のうち半分以上の1万人が行方不明という話もある。
 被災地では電気もストップしているので、避難した人はテレビも見られないので、現状がどうなっているかの情報も得られないようである。かろうじてラジオと携帯電話はあっても、電池が切れると充電はしようもない。これだけ被害が広がっていることも知る由もないかもしれない。

気仙沼で大規模火災、陸前高田市街壊滅的被害(YOMIURI ONLINE)
原子炉格納容器外で水素が爆発…官房長官

 さらに深刻なのは、福島の原発の危機である。冷却水を回すための電気が通じていないため、原子炉を止めた後、冷却できずに危険な状態になっているという。それを解消するために異例の手動のガス抜きをやったために、外部に水素が出たために爆発し、原子炉を覆っている壁が吹き飛んだようだ。恐ろしい話だ。よく言われる燃料棒の「メルトダウン」ではないようだが、どうもギリギリの対策をしているようである。最悪の場合で、誰しも頭をよぎるのは、かつてのスリーマイル島チェルノブイリ事故である。原子力発電どころではなく、放射能汚染の悪夢を避けられるかというレベルまで、日本の原子力開発が追いつめられている。ここは日本の威信をかけて切り抜けてほしい。



BBC: Huge blast at Japan nuclear plant