原発事故情報を装う不正メール

 震災直後に出回った救助を呼びかけを装ったTwitterのRTはすでにとりあげたが、また原発事故に関連した情報を装った不正メールも出回ったようである。社会不安のタイミングに便乗したフィッシングといってもよいだろうか。

地震発生の翌日からチェーンメールや詐欺サイト..(CNET Japan)
原発事故に便乗した不正メール出回る--脆弱性狙う..
原発事故情報を装うメール出回る,添付ファイル.. (INTERNET Watch)
原発事故に便乗した不正なメールを確認(Tokyo SOC Report)

 いまだに続く原発危機の不安は、我々の日常生活も脅かす事態になっている。テレビばかりでなくネットによる情報が得られやすくなっているだけに、そこに渦巻く情報や解説や批判なども玉石混淆である。まずテレビからの情報は「ただちには健康には影響はありません」で限界を感じた。それは専門家を含めて「影響があります」とは言えないだろう。悪い方の可能性を考えて、ある程度、個人が自己判断して防衛策を講じるするしかない。原発の数10km圏に居住している人や乳幼児を抱えている人にとっては、なおさらである。安全な水を求めて山梨県まで買い出しに行ったという話まであった。


 ネットからの情報はもっと様々である。自分としては放射線の影響に関する情報はリアルデータと、なるべく震災日より前に提供されている解説を参考にするようにしている。震災後にとって付けたような情報には、単にどこかの受け売りの情報に勝手な解釈を加えて、煽っているだけに思えるようなものが少なくないからである。新聞記事にしても同様である。


 とって付けた情報を装ったフィッシングは火事場泥棒と同様で、まさにこのタイミングを狙ってウイルスの拡散を図ったもののようである。普段ならばこうしたメールに騙されないような人でも社会不安の時期だけに、つい気になって添付ファイルをクリックしてしまう人の割合が増えているかもしれない。Microsoft Office脆弱性を衝くものだからOfficeを最新状態にアップデートしておくしか有効な対策はないが、一般ユーザは心理的にはまさに「冷静に」ネット情報を扱うしかないだろう。


 放射線量のデータがExcel/CSVデータで提供されるようになってきている。それにかこつけた古典的ともいえる添付ファイルによるウイルスがこれからも発生してくる可能性があるだけに、今後とも注意が必要だろう。放射線量のデータがExcelの入門用データとして使われるとしたら、やや悲しいところだ。