猪木が被災地慰問

 やはりACのCMより、こちらの方が猪木らしい。「思い立ったら走り出せ」がモットーの猪木が被災地の避難所を慰問した。もっと早く現地入りしたかったらしいが、規制を受けていたため、ようやく今回の訪問となったようだ。

猪木「1,2,3復興ダーッ!」…被災者に闘魂ビンタ(スポーツ報知)
猪木が被災地慰問「元気があれば復興もできる!」(sportsnavi)
猪木が被災地で闘魂注入「元気ですか!」(nikkansports.com)

 避難所で「元気ですかー!」。普通に考えれば憚られるところだが、むしろ被災者の表情を見て一瞬で決断したようだ。さすがはプロレスの大観衆の空気を一瞬のうちに読むことに長けた猪木ではある。訪問した東北の被災地も、考えてみれば猪木にとっては、かつての馬場・猪木の全盛時代のプロレスの地方興行からよく知る地でもある。出迎えた被災地の人々には、かつては「おらが町にもプロレスがやってくる」と、現在は避難所になっている地域の体育館などに、親や友達と一緒に観戦に行ったことがある記憶がある人もいただろう。今の若い人には「1,2,3、ダー」と闘魂ビンタだけのちょっと怪しいオジサンかもしれないが、ある年代以上の人達にとっては長嶋茂雄と並ぶスーパースターの1人である。その猪木がトラックいっぱいに救援物資を運んで駆けつけ、1人1人に話をかけ握手をする。自分も昔、猪木と握手したことあるが、さすがに手が分厚く力強く感じられて、これは勇気づけられる。


猪木、ハンパない激励


 さらにタブーと思われる被災者の有志?への闘魂ビンタ。「アントニオ猪木だったら何をやっても許される」は猪木ファンにとっては常識ではあるものの、これには不謹慎ながら思わず失笑してしまいそうだ。復興への期待をかける青年に対してはまあよいとして、なんと若い女の子にまでビンタ。さらには災害対策本部で自衛官にまで闘魂注入(笑)。猪木はとんでもない奴だと思う人もいるかもしれないが、これは全員自らの「志願」なのである。本当のビンタは東電幹部や原子力安全・保安院あたりに入れてほしいものだ。「お前ら全員、現場に行って動け!」と。