YouTubeもライブ動画サービス

 ついにYouTubeもライブストリーミングのサービスを開始した。これでUstreamなどと、真っ向から競合するサービスとなりそうである。

YouTube,ライブ動画サービス「YouTube Live」をスタート(ITmedia)

 振り返ってみればGoogleのサービスというものは後発であることが多い。基盤となった検索エンジンにしろ、Yohoo!の後追いだったし、Gmailにしろ数あるWebメールのサービスの中ではかなり後発である。Google VideoYouTubeとほぼ同時期だが、YouTubeには対抗しがたく買収という手段に出て現在に至っている。他の買収したサービスも、たとえばtwitterFacebookといったSNS分野では成功していない。


 Webの動画分野では圧倒的なシェアを有するYouTubeだが、ストリーミングに関してはUstreamが圧倒している。YouTubeには特別なケース以外ストリーミング機能は提供されていなかったから当然ではあるが、これまで提供してこなかったのはやはり帯域の問題があったのだろうか。ライブのスタイルとしてはUstreamなどと同様にライブ画面の横にチャットのようにコメントできるようになっている。このあたりは後発のサービスであることを感じさせる。


 圧倒的なビデオ動画のユーザ数を背景としてライブ動画の投稿がオープンになれば、さらにYouTubeへのアクセスがどれだけ増えることになるか。さらにUstreamとの棲み分けはどうなるかである。YouTubeは既存の自己の「チャンネル」の中での配信となる。既存の投稿ビデオとともにライブの録画ビデオも蓄積されていくことになりそうだ。Ustreamはライブ専門といえるだけに、テレビに似てリアルタイムのイベント中継用としてのイメージがあった。YouTubeのように後から繰り返し見直すものというイメージはない。そうした微妙な違いがシェアにどう表れていくか。


 ユーザとしてはライブにも選択肢が増えることは望ましいことである。国内的には震災直後にはライブ中継の有用さを痛感しただけに、今後はますます重要な場面で利用される機会が増えることだろう。