IE9の自動配布が開始、日本語版は後日

 すでにダウンロード版は始まっていたIE9Windows Upadateによる自動配布が始まるという。ただし日本語版だけは震災の影響で後回しになっている。確かにダウンロードページのLanguageにはJapaneseだけがない。通例に比べればきわめて異常ではある。

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 IE9にすぐにアップグレードできないからといって、特に困ることもないが、IEが広がることに与える影響には関心がある。ブラウザのシェア争いは以前から過熱していて、速度やらJavaScriptに対するパフォーマンスは話題になっていたが、現在のバージョンの最大の話題はHTML5への対応である。


 今後、世の中のWebサイトがHTML5ベースにリニューアルされていくには、まずブラウザがHTML5に対応していなければお話にならない。そしてシェアを落としているとはいえ、現在でも最大シェアをもつIEHTML5にどれだけ対応しているかどうかが、Webサイトの開発に関わる。かつてはIE6の特殊性が開発には大きな負担を与えた。理想的にはすべてのブラウザが同じような標準仕様への対応ができていればよいが、なかなかそうはならなかった。


 HTML5への対応ではそれが解消されるかどうかが最大の注目なのだが、IE9HTML5の一部機能は、コンサバ(保守的)?を理由に実装されないという。ちょっと苦しい説明のように思えてならない。標準仕様にある機能を有しながら実質は使わない「冗長性」を持たせるのは構わないが、標準仕様にありながらその機能を有していないのは、全く異なる話である。それは厳密には「HTML5対応」とはいえないのではないだろうか。MicrosoftHTML5の仕様策定に当初から参加していたはずだから、これは仕様策定とIE9の開発部門が連携していなかったということだろうか。


 わざわざXHTML2の開発を打ち切ってまで、半ば強引にHTML5への移行を進めているわけだから、IEを含めたブラウザのHTML5完全対応を急いでもらいたいものだ。そうでなければ、またXHTMLのように掛け声倒れに終わりかねない。