富士通がキーボード内蔵型Windowsタブレット

 スマートフォンにしろタブレットPCにしろ、国内メーカーは立ち遅れているように見受けられる。製品出荷がというより、コンセプトからして追いついていないように思える。スマートフォンに関してはガラパゴスケータイが、タブレットPCについては電子書籍市場の立ち遅れも影響しているだろうか。

富士通、キーボード内蔵型のWindowsタブレット発売(ITmedia)

 シャープやソニータブレットPCについて新製品を出してはいる。いずれもベースのOSはAndroidである。ただ海外製のAndroidタブレットと比べてどうなのかは、あまりはっきりしない。


 そんな中、PCメーカーとしての富士通の選択は、Windows 7にキーボード内蔵のタブレットPCであるという。ある意味、思い切った選択ではある。つまりタブレットPCとしてのコンセプトを、どこに求めているのかということである。


 ノートPCからタブレットPCへ乗り換えをするとしたら、ヘビーユーザにとって最も問題となるのはキーボードの快適性である。必要なときにタブレットPCに外付けキーボードで対応することもできなくはないだろうが、なんとなくミスマッチの感がある。もともとタブレットPCを使用する目的は何なのかである。iPad登場直後は、何ができるのかを探る目的でもよかった。しかし今後は、目的がはっきりしてきて、それによって機種にも特徴が現れることになるかもしれない。


 さて、Windows 7にキーボードである。これはもうノートPCに近いコンセプトだといえるだろう。タブレットPC的使用は、オマケといってもいいかもしれない。何より従来のWindowsで使用してきたことを踏襲することを重視しているようである。タブレットPC風味を付けた新しいノートPCといったところだろうか。あるいはノートPCとのハイブリッド型とでもいうべきだろうか。それがよいのかどうかは、市場が判断することになるだろうが、Windowsが入りこむと、ネットブックのときもそうだったように、どうも陳腐なコンセプトに引き戻されるような感がしてならない。