被災地向けに電子図書館サイト

 震災では衣食住のすべてが失われた印象だが、次第に復興に向けて人々の活動が活発化するにつれて、足りないのはそれらだけではないことに気が付く。書籍や書類もその1つである。それを電子書籍で支援しようとする動きもある。

被災地向けに電子図書館サイト開設、配信する..(INTERNET Watch)

 学校や子どもでも、勉強のための教科書や参考書が失われているために、卒業生らが中心になって在学中に使用していたものを寄付するという動きもある。学生服やユニフォーム、体操着なども同様である。あるいは通学に使う自転車だったりする。


 書籍に関しては、今立ち上がりつつある電子書籍が支援には有効になりそうだ。なぜなら物理的に紙の書籍では配布するのに限界がある。冊数が多くなれば仮住まいの被災者にとっては置く場所もなかなか難しい。電子書籍の形で、電子図書館などどして共有できれば、ネット環境さえあればタブレットPCやPCで見ることができるし、必要な部分だけを印刷して配布すればよい。


 電子書籍以前から有志による「青空文庫」は著作権には問題がなくなっているし、すばらしい試みだと思っていたが、これなど単なるテキストだから、学校の先生がちょっと縦書きに編集して装飾を付ければ、もともと素材が良いだけに、教材として十分使えるものになるだろう。こういう状況だからこそ、そこで出会えた書籍から大きな影響を受けることもあるかもしれない。


 TwitterSNSなどが緊急時に強いシステムであると同様に、電子書籍も緊急時に強いコンテンツだといえるだろう。災い転じてではないが、今回の経験が電子書籍の普及を早めるきっかけの1つとなるかもしれない。