携帯電話に脳腫瘍リスク?

 昔からそういう話はあったが、WHOから可能性を指摘されたのは初めてで、ややショッキングではある。携帯電話から出る電磁波を浴び続けると脳腫瘍のリスクがあるとのことである。

携帯電話の電磁波に脳腫瘍リスク WHO組織が指摘(ITmedia)

 携帯電話が普及しだして、世の中全体が携帯電話と基地局の間の電波だらけになるのではないか、そしてその電波は常に人体の間を突き抜けているだろうと思ったものだ。特に電話しているときは頭を、胸ポケットなどに携帯電話を入れていると心臓を突き抜けている。長い時間のままだと何か人体に影響があるのではないかと、やや不安にも思ったものだ。その中に「携帯電話をしていると脳腫瘍になる」「難聴になる」という話もあった。半ば俗説の冗談半分での話だと思っていた。携帯電話が嫌いな人は、それを携帯電話を持たない理由のようにしていた。現在では誰もが当たり前のように携帯電話を所有する時代になったので、そういった「風評」も聞かれなくなったと思っていた。また当時はまだブラウン管モニターも主流で、それが発する電磁波の影響も論じられていたが、液晶モニターの普及でその話も立ち消えになった。


 そこにこのWHOの発表である。リスクとはいうものの、どれだけの数値なのか、因果関係の証明の根拠なども明らかではない。ただ、だからといって携帯電話の所有を敬遠するというわけにはいかないだろう。携帯電話を極端に長い時間、耳に近付けておかないように心掛けるという警告だということだろう。特に子供は先の年数が長いだけに、まだ誰も影響はよくわからないというのが本当のところだろうか。日本では折しも、こちらの方が深刻だが、放射線の影響の議論と似たところもある。浴び続けることの累積の影響が問題なのだろう。


 もっとも携帯電話はスマートフォンへと代わってきており、そこでは耳に直接近づけての音声通話の時間は、めっきり減ってきている。それもメールからWebへと変わってきている。音声でコミュニケーションをとるときには、むしろスマートフォンの画面を見ながら、イヤホンマイクを付けて話すことになるのではないだろうか。そうであれば自然と脳腫瘍のリスクも小さくなっているというものである。ますます携帯電話、スマートフォンは音声通話をするものではないし、するべきではないものになりつつある。