東京電力が「でんき予報」 

 シャレをかましている場合ではないだろうというのが率直な感想である。そろそろ暑い日が予想されてきて、エアコンその他の節電などを考えると気が重い。家の中よりは、やはり職場や公共施設や機関の環境の方が気になる。行かない、利用しないわけにもいかないからである。

東京電力が「でんき予報」 7月1日から(ITmedia)

 喉元過ぎればナントカでもないが、計画停電がなくなってからは節電は叫ばれてはいたものの、春の季節はあまり気にせずに過ごすことができた。夜の計画停電の対象区域になり、実際に実施されたときは容易ならざる事態と思えたものだ。関東圏に来てからはハプニング的な停電はともかく、こんな形の停電に遭うのは初めてであったからだ。


 そして社会的には、中長期的にそれが原発問題にもからむし、放射能汚染も意識させられることだからである。電力の予報だけされても、それは利用者の便宜を図ることではなく、むしろ制約することを意味するからである。「予報」というよりは「警報」である。今年だけでけでなく、電力事情が抜本的に改善する方策が見出されない限り、今後も何年も続くことになりそうだ。涼しい夏ならまだよいが、昨年のように真夏日が連続40日も続くようでは、何が起こるかわからない。


 よく昔はエアコンがなくても団扇などで過ごせたものだ、などと悠長なことを言う人もいるが、首都圏の滞留熱というか、いわゆるヒートアイランド化現象は確実に数十年前よりは深刻になっている。「炎天下の暑さ」という言葉があるが、上の空から暑いのではなく、下の地表から「熱い」のである。だから熱中症で倒れる人も増えたのではないかと思える。昔のように自然が残っていて、暑くても木陰に入れば涼めるようにもならない。下から熱せられているからである。そこにエアコンも使うな我慢しろとなると、節電に几帳面な人ほど危なくなるのではないかと思える。