国内大学で学内システムを全面クラウド化

 大学もクラウド化が話題になっている。国士舘大学が国内大学では初の学内ICTシステムの全面的クラウド化を実現するという。研究・教育系よりは事務系、学生サービス系のクラウド化のようだが、これによってどういう影響を及ぼすことになるか。

国士舘大学、システムをフルクラウド化--..(ZDNet Japan)
国士舘大学、学内ICTを全面クラウド化〜..(クラウドWatch)
日本マイクロソフト、パブリッククラウドサービス「Office 365」を..

 この大学が採用したのはWindows Azureだという。米国の自治体で採用されているOffice 365や、学生管理を顧客管理とみなしてSalesforceのようなサービスである「Dynamics CRM Online」が導入されるようである。大学初というだけでなく、Microsoftの国内サービスとしても、日本語化を含めてかなり新しいものと思われる。


 学内的には既存の200台のサーバーのクラウド化と、ホストコンピュータが廃止されるという。ホストコンピュータがメインフレームだったのかワークステーションだったのかはわからないが、学内PCサーバー群のクラウド化とMicrosoftの外部クラウドによるサービスで十分というわけだろう。大きな組織にとっては、クラウド化による予算削減が大きな動機にはなる。


 また大学はクラウド化によって、複数の学部のキャンパスが地理的に離れている場合、これらの内部システムを一元化できるメリットがあるだろう。仮にどこかのサーバーがダウンしていたとしても、連携するクラウド化されたサーバー群によってカバーしあえるので業務系統がダウンすることは少ないと期待される。ただMicrosoftクラウドオープンソース系ではないので、どこまで自由度があるかはわからない。もっとも研究・教育系よりは、そうした自由度はそれほど必要としないことはあるかもしれない。いずれにしても、今後、大学内、大学間でもクラウド化の流れは進んでくることになるだろう。