節電で改めて注目される在宅勤務

 いつの時代も在宅勤務は半分は夢のような話、半分は弊害の話が話題になる問題である。ところが今年は特別で、夏場の企業の節電対策の一部としてクローズアップされているのだという。

在宅勤務制度の導入、まずはトライアルで始めよう..(ITmedia)

 確かに現在の状況の中で在宅勤務を想定してみれば、過去とはだいぶ環境が変わっていることに気がつく。インターネットが世の中で可能になったころと比べても、当時はメールとイントラネットにアクセスできるということくらいしか、アピールポイントはなかった。会議や顔を突き合わせてのリアルでの打ち合わせとか、果ては飲みニケーションも重要などという情緒的な話になって、最後はお茶を濁したものだった。


 ところが今のWeb環境を使えば、コミュニケーションの支障はほとんど問題にならないことに気がつく。Webで互いの顔を見ながらの会議も可能だし、SkypeTwitterUstreamの中継などSNS系は何でも使える。文書がデジタル化されているから、簡単に共有、編集もリアルタイムで可能である。それも地理的距離は全く関係がない。ただ今まではそれらを積極的に日常業務にまで利用しようとは考えてこなかっただけである。


 いざ震災の影響で、強制的に節電だから夏休み休業期間を長くするとか、製造業のように土日出勤にするとかではなくて、在宅勤務にしてみたらどうだろうと考えたとき、それらのためのツールが数多く揃っていることに気がつくのである。もちろん仕事の内容によるだろうが、あとは制度の問題だけという気もする。というより、在宅勤務が企業の生き残りのための大きな手段にもなりうるかもしれない。