上原がレンジャーズ移籍

 オリオールズ・上原のレンジャーズへのトレードが決まった。メジャーでは7月31日がトレード期限で、この時期に優勝争いをしているチームから、脱落したチームの主力級の選手の駆け込みトレード申し込みが活発化する。脱落したチームは来季を見据えて、主力ベテラン選手を放出し、見返りに若手選手を獲得することが多い。

上原がレンジャーズ移籍“盟友”建山が所属(SANSPO.COM)
尚成は上原移籍に複雑「テキサスだけは..」(Sponichi Annex)
koji-uehara.net(上原ブログ)

 上原の所属していたオリオールズは開幕当初こそ好調だったが、いつのまにか指定席の最下位に転落。上原もあまり勝ち試合に活躍できない状態だったろう。しかし、ア・リーグ西地区で優勝を狙うレンジャーズから抑えに繋ぐ中継ぎの補強として必要とされたようだ。


 上原が西地区に来ることによって、4チームしかない同地区は日本人選手で、一気に盛り上がりそうな状況となった。もともとマリナーズイチローがいただけだったのが、昨年から松井がエンゼルス→アスレチックス、今年にはエンゼルスに高橋尚、レンジャーズに建山が所属するようになったところに上原も同チームに移籍することになったからである。


 上原は建山とはなんと高校の同期で、建山がエースで上原が控え投手だったという。そのため上原は高校時代は全くの無名で、お呼びがかかる大学がなく、浪人までしたという因縁がある。上原の座右の銘「雑草魂」もこの頃の苦しさから生まれたものだったという。それがまたメジャーリーグで再会とは、人生の巡り合わせとはわからないものだ。


 松井、上原、高橋は、松井最後の巨人時代の2002年のときの優勝メンバーでもある。このときのメンバーを今改めて見ると凄い。


打線は、3番・高橋由 4番松井 5番・清原 6番・江藤 
松井は本塁打50、打点107で二冠王
投手は、上原(17勝)、桑田(12勝)、高橋尚(10勝)、工藤(9勝) 
それに中継ぎ岡島(6勝) 上原は最多勝 沢村賞


で、日本シリーズでも松坂がいた西武に4連勝で日本一になっている。原監督の1年目だったが、晩年の長嶋監督がドラフトやFAで獲得した選手で作り上げたチームだった。桑田も含めれば、このメンバーから5人もメジャーリーグに渡ったことになる。ちょっと今の選手が誰だかわからない巨人とは隔世の感がある。そのメンバーの松井、上原、高橋とイチローがそれぞれのチームに分かれて対戦するのだが、これが日本のプロ野球では見られないのだから無理もない。4人それぞれに個人的な因縁もあるようで面白い(上原が、ごちそうになった松井、イチローにお礼として抑えたいとか)。昔を知るファンならば、おのずとメジャーリーグ中継の方を見てしまいそうだ。


 直接的には、左打者のイチロー、松井と、左腕・高橋、右腕・上原の対決が試合数が多い西地区チーム同士の対戦の勝負どころで見られる機会が増えるかもしれない。