東映がYouTubeに公式チャンネル

 なんと、画期的なことか。東映YouTubeに公式チャンネルの開設し、その中で特撮ジャンルに限り、過去のテレビ作品やその劇場版などの無料公開を始めた。その中には、なんと「仮面ライダーV3」もある。中年世代にとっては子供の頃の記憶が蘇り、まさに「血湧き肉躍る」状態になるのではないだろうか。

「仮面ライダーV3」などYouTubeで無料配信 東映が..(ITmedia)

 仮面ライダーの歴史は長いが、記憶と人気はやはり初期の頃の昭和のライダーである。特にV3までは何か思い入れが違うような気がする。V3に関しては、昔レンタルビデオで借りた記憶がある。特に死んだと思っていた1号、2号が復活する回のシーンなどが好きだった。昔のテレビや映画作品は特撮技術というよりも、子供に夢を与えられる「何か」があった気がする。


 ネットでYouTubeが登場してきて、ビデオでも見つけられない昔の番組の名シーンがアップされることが多かった。ユーザにとってはそれを見つけて懐かしむことが楽しみでもあったが、著作権団体にとっては由々しき問題のようで、Googleに削除要請ばかりしていたことだろう。YouTubeで見られると、ビデオが売れなくなって損害を被るという論理だが、果たしてそうかという疑念があった。おそらく制作側にとっても同じ思いがあったのではないだろうか。復刻のDVDなどが出ているものもあるが、全巻揃えるだけのお金や暇もない。思い入れはあっても、そこまでする人は限られているだろう。


 むしろ放映権の切れた制作側のプロモーションの役割として、有名作品のの無料公開に踏み切ったようだ。かつてテレビの普及により映画は衰退し、現在はネットに押されてかどうかはわからないが、テレビが衰退しつつある。そこで映画制作側とYouTubeが結びついて、プロモーションに役立てるのは面白い気がする。ラジオがネットと結びついてradiko.jpを始めたら人気に結びついたという話にも似ている。今ではスマートフォンが音質の良いラジオになっているのではないかとさえ思える。


 ちょうどYouTubeの画面のデザイン変更をして映画のスクリーンみたいになったと思っていた矢先だけに、形を変えた映画復活のイメージにもなるかもしれない。まずは「古きをたずねて」からである。公開作品の各回を見入ってしまいそうなので、徐々に時間をみつけて見ていきたい。すぐに削除される心配はないだろうから。