タブレットと電子書籍リーダーの人気

 米国での調査だが、現時点ではタブレットは男性に、電子書籍リーダーは女性に人気があるという。ただし年代別による普及の差もありそうだ。

タブレットは男性に、電子書籍リーダーは女性に人気..(ITmedia)

 もともと専用の電子書籍リーダーは先に存在していたが、そこにiPadが登場して、電子書籍の可能性を広げたわけである。iPhoneが携帯電話の、iPodが音楽プレーヤーの可能性を広げたことと同様である。そうして電子書籍市場そのものが活気づくことになり電子書籍プレーヤーそのものも伸びる結果となったのだろう。


 ユーザ側からすれば登場直後は「iPadって何ができるの。PCとは何が違うの?」という疑問も多かったと思う。電子書籍リーダーとしての側面が強調されて登場したiPadだが、次第にPCと同じように利用できることに気がついてきたからである。その意味でiPadを単に電子書籍リーダーだとは言わなくなり、一般的なタブレットPCタブレットと呼ばれるようになる。それがユーザ層の変化にも結びついているのかもしれない。


 当初はiPadを新しい電子書籍リーダーとして購入した人は多い。以前テレビで見た例は、米国の読書好きの百歳のおばあさんが娘からiPadを贈られ、それまで老眼で読書がしにくくなっていたところを、iPadだと自由自在に文字を拡大したりページをめくることができるようになったので、再び読書熱が復活したという話だった。このように年配層で読書好きへの普及したのが、iPadを含めた電子書籍リーダーだったといえる。もちろん背景には電子書籍市場そのものが活気づいたことにある。


 これらのiPad初期の頃の人達は、PCの利用者層とは異なる。その後、タブレットはノートPCの代替としての認識も広がり、これらは若年層やビジネス利用にも広がることになる。これはもはや電子書籍リーダーとしての利用に留まるものではない。それが現状での調査結果につながっているのではないか。


 今後の傾向としては、タブレットの普及が進み、電子書籍リーダー単体としてのものは減少していくだろう。あるいは電子書籍リーダーのタブレット化が進むともいえるかもしれない。


 日本国内では、そもそも日本語化された電子書籍リーダーや電子書籍の普及がなかったので、ノートPCの代替としてのタブレットの普及が進むことになるだろう。ただ縦書きの趣のある書籍だとかアニメだとか、日本ならではの文化を反映したものが活気づくことを期待したいところである。