AmazonがKindle書籍を米図書館で貸し出し

 新しい電子書籍の流通方式、あるいは電子図書館の利用形式となるのだろうか。AmazonKindleで読める電子書籍を米図書館から貸し出すサービスをスタートさせた。

Amazon、Kindle書籍を1万以上の米図書館で貸し出すサービス..(ITmedia)

 Kindle書籍とは、電子書籍リーダーとしてのKindleのハードウェアばかりでなく、iPhoneiPadAndroid上のKindleアプリでも読めるものであるという。「貸し出し」というのはクラウド型サービスであり、PIN番号などを入力すれば電子書籍にアクセスできるようになるのだろう。ただ、ダウンロードするわけではないので「貸し出し」なのだろう。気に入れば、改めてAmazonから電子書籍を購入できるという仕組みである。まあ、どうしてもダウンロードできなくても画面キャプチャをしてしまうということも不可能ではないだろうが、そこまでするだけの高価な希少価値のある書籍が対象ではないだろう。


 既存の紙の書籍と電子書籍の決定的違いは、簡単にコピーできてしまうことだろう。それによって書籍の販売部数が減り、また書籍の価格も流通部分がなくなるからとはいえ、かなりの低価格になってしまうことになる。そこに出版社や書店は大きく難色を示すことになる。既存の図書館でさえもそうかもしれない。しかし電子化を進めるには公共の図書館の方がやりやすいことは事実である。電子書籍を買う前の「立ち読み」効果を図書館に担ってもらい、Amazonが販売を担当するという図式である。Kindleを通じて図書館と連続して繋がってしまっているので、書店などはますます苦しくなるのではないかと思える。Googleのように著作権が問題となる電子書籍の一部を見せるというのとも違い、図書館を前面に出している。電子図書館そのものの役割も、今後変わってくるかもしれないと感じさせる試みである。