Windows 8とWindows Liveの統合

 Microsoftが次期Windows 8Windows Liveを統合する、といってもあまりピンと来なかったが、どうやらクラウドとの連携、同期を取るということらしい。

MS、「Windows 8」と「Windows Live」の統合による利点..(CNET Japan)
A preview of Windows Live for Windows 8(Inside Windows Live)

 Windowsが起動するとき、必ずユーザプロファイルを読み込むものだが、Windows Serverにログインするときには、サーバー側にもローカル側にもプロファイルは保存されている。別のPCのWindowsからログインするときに、この移動プロファイルがうまく読み出せるかが、以前は頭の痛い問題だった記憶がある。Sambaも使っていたことが原因だが、個人的にはこれに悩まされて、だんだんWindows Serverからは遠のいていったといってもよい。


 現在はもっと改善されたとは思うが、まさにこの移動プロファイルの問題をMicrosoftクラウドに持っていったということだろう。Windows 8のプロファイルはWindows Liveに保存されるので、別のPCのWindows 8からWindows Liveにログインすれば同じプロファイルが読み出されて、どのPCでも同じ環境でWindows 8を利用できることになるということだ。これまでのWindows Serverの役割をクラウドに行わせるということになる。これはローカルには情報を残さないシンクライアントとか、常に同じ環境を維持しておきたいデモ用やプレゼン用PCなどへの応用もきくかもしれない。


 いずれにしても、Microsoftクラウドの中核は、以前から注目しているようにSkyDriveの存在である。いきなりユーザあたり25GBの保存容量が提供されたことで、他のサービスは使わくてもかなり重宝している。MicrosoftとしてはこれをOfficeやOffice Web Appsとの連携に利用することを意図している。ただあまりOffice Web Appsに注力してしまうとOfficeが売れなくなってしまうので、痛し痒しのところである。Windows 8との連携は、ローカルのOSで何でもやってしまうという従来の重いOSの発想からの脱却を意味し、またWindows Liveにも注目させられるという一石二鳥の効果が期待されるかもしれない。強いて言えば、かつてのWindowsInternet Explorerの機能の統合、MSNとWindows Liveのサービスの統合などが連想される。現状でいえば、サービスをクラウドへ統合させていくのが大きな流れなのだろう。デスクトップ環境には何が残るのだろうか?