スティーブ・ジョブズ氏逝く

世界に訃報がが駆け巡った。「訃報」というキーワードだけで検索してもスティーブ・ジョブズ氏の名前が出てくるほどである。マイケル・ジャクソンが亡くなった時のようですらある。一国の大統領よりも世界に影響力のある人の訃報とも言えるかもしれない。

Appleのスティーブ・ジョブズ氏が死去(ITmedia)
オバマ大統領,ゲイツ氏,ペイジ氏,スパイク・リー監督-ジョブズ氏追悼..

 Apple設立からの経緯、MacintoshからiPhoneに至るまでの足跡が多くのところで語られるであろうから、少し別の面を見てみたい。前に書いたように、自分はNeXT時代のジョブズ氏が生き方として最も輝いて見えていたジョブズ氏に関連したコンピュータや経営哲学の本はいくつか読んだことはあるが、ベースになっているジョブズ氏の人生哲学のようなものが垣間見える語録をいくつか拾ってみた(Wikipediaより)。

  • 墓場で一番の金持ちになることに何の意味がある。毎晩寝る前に「今日は素晴らしいことをした」と思えること、それにこそ価値がある。
  • 美しい女性を口説こうと思ったとき、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい? そう思った時点で君の負けだ。
  • 方向を間違えたり、やりすぎたりしないようにするには、まず「本当は重要でも何でもない」1000のことに「ノー」と言う必要がある。
  • あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。
  • ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。
  • 仏教には「初心」という言葉があるそうです。初心を持っているのは、素晴らしいことだ。


「他人の人生を生きるな」は強烈である。誰しもそうは思っていても、食うために人は他人や組織に従属してしまいがちである。「いつかは」と思っているうちに、自分の最も人生の大切な時期を失ってしまっている。仮にお金だけあったとしても、誰でも達成できることではないだろう。


 ジョブズ氏は近年は膵臓ガンや肝臓移植手術の頃から健康を不安視はされていたが、CEO辞任からまだ日が経たないうちに、まさかこれほど早く逝くとは思わなかった。パーソナルコンピュータの開祖でもあり、それから30年以上も途切れることなく世界中に影響を与え続けてきた。コンピュータの世界にとっては、偉大な指揮者を失ったということになるだろう。