「Google Cloud Storage」を発表

 Googleが先の「Google Cloud SQL」に続き、クラウドのストレージサービスである「Google Cloud Storage」を発表した。有料サービスだけに、いよいよクラウドを企業ユースに本格化してきたかという印象である。

Google、企業向けクラウド「Google Cloud Storage」を発表(ITmedia)
Google Cloud Storage(Goolge Code)

 Goolgeはクラウドサービスの代表格であり、もともとクラウドの元祖となるサービス形態だったわけであるが、それは個人ユーザ向けの話であるともいえた。むしろ個人ユーザの方が自由に登録できて、ほぼすべてのサービスが利用可能だった。むしろ企業ユースを意識したGoogle Appsの方が利用できるサービスが制限され、有料か無料か以前に、そもそも企業ユースとして「使えるかものなのどうか」が問題だった。サービスはGoogle Appsでもほぼすべて利用できるように緩和されたが、Gmailなどはともかく、決定的なことはデータを保存できるストレージサービスがないことであった。


 そこでGmailの容量をストレージのように使う裏技を使ったりとか、Google Docsにアップロードできるファイルの種類の制限がなくなり実質ストレージサービスとしての利用するなどのことがなされてきた。それもWindows LiveのSkyDriveのようなサービスがなかったからである。Googleは単なる「入れ物」としてのストレージサービスの公開には慎重だったように思える。またそこがAmazon EC2/S3のような、OSから含めて入れ物になっているクラウドとの差になっているようだった。


 そして今回の有料のストレージサービスの登場である。一応、別サービスとなっているようだが、Google Appsのユーザなどを対象としたものだろう。料金体系としてはGB単位で13セントだが、それに加えてアップロードは無料だがダウンロードにも課金される。これはアクセスが多いダウンロードサービスのサイトほど従量課金がなされるということでもある。レンタルサーバーのサービスで転送量の制限や課金がなされることに似ている。


 これまではGoogleのそれぞれのサービスの中では自分のファイルが「どこに」あるのか、イメージがしにくかった。それがクラウドだと言ってしまえばそれまでだが、このストレージサービスでは、同じGoogleサービスでも少しはGoogleサービスの中のどこにあるかはわかりやすくなると言えるだろう。