携帯キャリアは国内メーカー離れ

 ガラパゴスケータイなどと揶揄されていた国内の携帯だが、それは日本の携帯は技術が進んでいるという自負の裏返しでもあっただろう。それがスマートフォンの普及とともに、あっさり崩れ去ろうとしている。

携帯会社、国内メーカー離れ スマホ普及で海外勢台頭(ITmedia)

 ガラパゴスといっても、日本の携帯の場合、そもそもメーカーがガラパゴスだったのか、キャリアがガラパゴスだったのか、あるいは国の方針だったのか、よくわからない。キャリアの要求する仕様に仕方なく合わせてガラパゴス化が進歩していったのだろうか。特に採用する方式が世界標準と異なることによって、国際競争力を失っていった。国内市場のパイだけで多くのメーカーがひしめいていた。i-modeなどといっても、決してインターネット標準にはなっていなかったようだ。


 それがネットの浸透により、すべてがPCと同様のインターネット標準に近づいていく。OSもAndroidiOSWindows Phoneかにほぼ絞られてしまった。PCのOSが、WindowsMacOSLinuxかに絞られている状況に似てきている。国内メーカーはガラパゴスできていただけに、方針転換を強いられて、世界では後発のAndroidWindows Phoneの機器を製造するしかなくなっている。そうしてキャリアはあっさり、国際標準の海外メーカーのスマートフォンを導入するようになってしまっている。あたかもガラパゴスは国内メーカーだけの方針であったかのように。まるでPCでのかつての国内でしか通用しなかった仕様のNECPC-98シリーズが独占していたのが、IBM-PC互換機(聞かなくなった言葉だ)が一気になだれ込んで、独占が敗れた状況と似たことが繰り返されたようである。


 携帯キャリアも所詮、海外メーカーのスマートフォンの新製品を宣伝しているだけになってしまった。そうなると、ますます「日本の携帯は進化している」としていたガラパゴスケータイはいったい何だったのかと、1ユーザレベルで疑問を感じざるをえない。