衆議院にサイバー攻撃?

 朝日新聞1面やNHKニュースにもなっていたが、衆議院のコンピュータにもサイバー攻撃があり、パスワードやらが盗難された可能性があるという。だがマスコミの記事ばかりで、IT系のニュースではほとんど詳細は見つけられなかった。情報を出さないのか、調査中ではっきりしないからなのだろうか。

衆院サイバー攻撃、標的は議員と秘書のID管理サーバー(asahi.com)
全衆院議員のパスワード盗難か 管理者権限で操作
衆院事務局「サイバー攻撃、事実関係は確認できず」 ..(msn産経)
衆院議員3人に貸与のPCがウイルス感染、衆院事務局が..(INTERNET Watch)

 何となく今流行りの「サイバー攻撃」という言葉を使ってみたかっただけという感がしないでもない。その内容を見ても、個別のユーザ宛にメールでウイルス添付のファイルが送りつけられた話なのか、サーバーが高度なクラッキングに遭ったのか、話がゴチャ混ぜのようだ。果ては管理者権限で、全議員のパスワードが盗まれた可能性があるという。


 そもそも認証サーバーの管理者権限まで奪取されたのだとしたら、それはとんでもない話である。議員がどうこうというより、サーバーを管理している側の大問題である。国の最高機関の中のサーバー管理をしている機関(NTTかIIJか?)が何をやっているのかという責任問題だろう。国会内部のネットワークと外部との接続の設計から杜撰だということになりかねない。


 ところが実際のところ、何名かの議員や秘書の元にウイルス付きのメールが送られたという「サイバー攻撃」らしい。画像の中に偽装してトロイの木馬が仕組まれたものらしいが、そうした手口ならいつの時代の話だと思える。ITスキルのない議員か秘書がうっかり開けてしまったというより、そんなものはメールサーバーの入り口で削除されるか、最悪でもクライアントPCのウイルスチェックで引掛かるだろう。それとも公務で使う重要なPCでありながら、そのどちらも機能していないというのだろうか。ちょっと考えられない話である。そこから内部感染が拡大してサーバーの管理者権限の奪取にまで至ったというのだろうか。


 そこまで心配があるのだとしたら、国会内部なんて完全に外部とは遮断したネットワークにしておけばいいだろう。国家機密に関わるのだから、むしろそうするべきである。なぜ世間と同じネットワークにしておく必要があるのか。それより議員などが気軽に外部のTwitterに書き込んだりなどしている方が、ソーシャルハッキングに遭いやすいのではないかと思えるのだが。