Kindle Fireが出荷開始

 出ました、Kindle Fire。といっても、まだ米国内だけの話。日本国内ではいつになるのか、まだ不透明である。やはり国内の出版社とか書店とかが、電子書籍をめぐってTPPのようにモタついているからだろうか。

Amazon、「Kindle Fire」を1日前倒しで出荷開始(ITmedia)

 iPadのほぼ一人勝ちのような状態のタブレット市場の中で、ようやく風穴を空けれそうな役者の登場の予感である。多くのAndroidタブレットの中で、これだけ話題が集まるのはAmazonだからであろう。この場合、Androidが主役なのではなくAmazonが主役なのだろう。Androidを旗頭に多くのメーカーがタブレットのハードウェアを売りにしてきたのは、マーケット的にはほとんど失敗しているといっても過言ではないだろう。hpですらそうなのだから、すでにPCやノートPCは価格が下がり過ぎて利益が出ない状況で、それより安いタブレットではなおさら難しいというところだろう。


 Amazon電子書籍リーダーとしては、Kindleでむしろ先駆けである。iPadの登場で、それがタブレットという概念に拡張されたが、そこにKindleAndroidでリニューアルされて登場した感じである。そして$199という価格である。これはハードウェアを薄利多売することが目的ではないことは明らかである。Kindle FireAmazonの膨大なコンテンツにアクセスするためのインターフェースに過ぎないという位置づけなのだろう。そこが単にハードウェアとしてタブレットを売らんかなのメーカーとの決定的な違いである。


 したがってKindle Fireが国内でも普及したとすれば、影響を受けるのはPCメーカー以上に出版業界や書店ということになる。これまでのように、タブレットとはなんとなくPCの代替品のようなイメージから、再び電子書籍を推進するデバイスとしての認識を新たにしてくれる存在になりそうである。