GoogleがFirefoxの検索契約を更新

 やや懸念されていたGoogleMozillaFirefoxに関する検索契約が、更新されることになった。これは単に企業間の契約ということだけでなく、今後Firefoxが存続しうるかどうかという、ユーザにも大きく関わることだったといえる。Googleは余裕の対応というところか。

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 一時はIEのシェアを追い上げる一番手のブラウザだったが、それほど急にはIEのシェアを崩せずにいた。そこにしびれを切らしたか、登場したのがGoogle Chromeだった。今ではChromeの方がIEを追い込む地位になりつつある。そしてFirefoxの最大のスポンサーは実はGoogleだったことでもあり、検索契約の更新がどうなるのか、注目されていたところだった。もしGoogleがもうIE対抗ブラウザが自社のChromeだけでよいと判断するならば、わざわざFirefoxのスポンサーになる必要もないからである。Mozillaの開発費の8割くらいはGoogleのスポンサードによるものだったはずである。


 一方でMozillaはリスクを避けるために、ブラウザで競合するMicrosoftと「Firefox with Bing」を出してもいる。通常のFirefoxの検索ボックスにBingの選択肢はないが、逆にBingをデフォルトの検索エンジンとするFirefoxも採用したということである。Microsoftとしても、かつてのNetscape潰しのように他のブラウザを締め出すような時代ではなくなっているからだろう。


 Firefoxもバージョンアップが早くなり、バージョン9となり、ようやくIEに追いついた?は冗談にしても、他のブラウザとの競争のためにもますます機能的な差別化が必要になってくるだろう。MicrosoftGoogleの隙間に存在するようなブラウザの位置づけになってきているが、Webサービスから独立したブラウザとして存在価値が出てくる場面もあることを期待したいところである。