Kodakが破産申請を準備か

 国内ではオリンパス損失隠しが注目を浴びているが、カメラ繋がりで写真フィルムの先駆者のKodakが破産手続きの危機を迎えているという。これも時代の流れというべきなのだろうか。

Kodakが破産申請を準備か(ITmedia)

 Kodakといえばフィルムでも高級フィルムのイメージがあり、実際国産のフィルムよりも割高だった。子供の頃、父親が仕事で写真を撮り溜めることが多かったので、家の中に多くのフィルムやそのケースがころがっていた記憶がある。その中でKodakのフィルムの黄色の箱にはやや特別の感慨がある。そのKodakが経営不振に陥ったのは、デジタルカメラへの対応の遅れが原因だったという。


 確かにデジタルカメラでは、そもそもフィルムがいらなくなるわけだから、これまでの主力製品を捨て、別のビジネスモデルに活路を見出さなければならなくなる。それが自ら全面的にデジタルカメラを投入することが遅れた要因だろう。それまでは協調できていたカメラメーカーと、真っ向から対立することになったからである。しかし、意外なことにデジタルカメラを最初に発明したのが1975年のKodakだったという。それまでのフィルム事業の資産が、新しい事業にはむしろ足かせになってきたともいえるのだろう。


 フィルムを使っていた時代には、写真を撮る際にはフィルムの値段や枚数を気にしながら慎重に撮っていたような気がする。しかし現在はせいぜいバッテリー切れを心配するくらいで、枚数も撮影の失敗も気にせずじゃんじゃん撮ることができる。すぐに撮れ具合を確認できるし、現像や焼き増しにお金がかかることもない。写真を撮る側にとっては良い時代になったものだが、フィルムメーカーにとっては死活問題になっていたということだろう。


 フィルムや印画紙は、まさにアナログカメラの象徴である。画質云々以前に、何よりオフラインのままというのがすべてがデジタルの時代では滅びゆく原因だったように思える。FlickrのようなWebサイトをKodakが最初に切り開いていたならば、また別の展開もありえたかもしれない。