警視庁が本気で2ちゃんねる撲滅?

 警視庁が本気で2ちゃんねるを撲滅しようとしている?という週刊誌記事が出ている。内容を読んだわけではないが、何かピントがずれたような話ではある。

“2ch撲滅”の警視庁、ひろゆき氏の事情聴取、削除人の..(ITmedia)
警視庁が本気で「2ちゃんねる撲滅作戦」?(2011.12.7)

 過去に2ちゃんねるに犯罪予告の書き込みがあったりと、何かと物議を醸してきたことは確かであるが、無くせばすべて解決するかのような発想はおかしいのではないか。どこかの国の国家統制ではあるまいし、むしろ言論弾圧の匂いすらする。2ちゃんねる潰しに警察の労力を割くくらいなら、もっと未解決のリアル犯罪の解決に労力を注いでほしい。


 どうも最近は「消費税増税に不退転の決意をもって臨む」だの、おかしな方向に突き進む風潮があるような気がする。これも消費税だけ上げれば、すべてが解決するわけでもあるまい。むしろ経済には逆効果でかえって税収が減少すると予測する人もいるくらいだ。同じように「警察の威信をかけて2ちゃんねる撲滅」も、威信をかけるべきベクトルの方向が違うのではないか。


 仮に2ちゃんねるがなくなったとしても、つまらなくなる人は居るだろうが、実質的には誰も困りはしないだろう。「犯罪の温床」と決めつけているが、本当にネットを犯罪で利用しようとするなら、ますます地下に潜るだけだろう。今度はインターネットそのものが犯罪の温床だということになる。そんなことを言い出せば、過去には電話もそうだったろうし、手紙だってそうなる。写真やビデオだって包丁の存在だってそうなる。要は文明の利器は、犯罪者にとっても便利であるというだけのことだ。その利器があるために善人が犯罪者に変身するわけではない。それでも監視するのが面倒だから根こそぎ無くしてしまえというのならば、ずいぶんと乱暴な話だ。