新著作権保護法案に抗議してWikipediaが24時間停止へ

 米国では新著作権保護法案をめぐって、まさに国論を二分するような議論の応酬が行われているようである。さながら既存メディアとネットの対立の構図のようでもある。Wikipediaもこれに抗議して、米国だけとはいえ、24時間のストライキならぬサイト閉鎖を行うとしている。

米連邦政府、新著作権保護法案SOPAの不支持を表明(ITmedia)
“メディア王”マードック氏、SOPA不支持の米連邦政府とGoogleを非難
Wikipediaが24時間停止へ 新著作権保護法案は「ネットの未来を脅かす」と抗議

 著作権権利団体が既得権を守ろうと、かなり横暴に見えるのは日本だけかと思っていたら米国でも同様であるらしい。法案に賛成なのは映画会社や音楽レーベル、メディアという旧勢力だが、米連邦政府とネット企業などはこれに反対している。News Corp.のメディア王といわれるマードック氏などは
オバマはクリエイターからコンテンツを盗むシリコンバレーの輩と一緒だ」
著作権侵害のリーダーはGoogleだ」
などと、あからさまに非難している。マードック氏は、日本でいえば讀賣渡辺恒雄氏のようなものか。


 これに対して、ネット企業ではGoogleをはじめ、Yahoo!FacebookTwittereBayなど、ここではこぞって協力して反対の声明を出している。Wikipediaもその1つというわけである。しかし有名サイトがサイト閉鎖で抗議というのは初めての試みではないだろうか。閉鎖の影響がどのような形で現れるか、予想はできない。米国での話とはいうものの、この結果は必ず日本や世界の国にも影響を与えることになるだろう。守旧派と改革派のような争いにも見えるが、ユーザとしてはネット側に一票を投じたいところである。