webOSはオープンソース化へ

 PalmOSを母体とする、モバイル用OSのwebOSのオープンソース化が進む。HPのタブレット用OSとして期待されたものの、早々と撤退し、webOSの処遇は宙に浮いたままになっていたが、ようやく具体的にオープンソース化のスケジュールが示された形である。

HP、オープンソース版webOSを9月にリリース Enyoも..(ITmedia)
HP、webOSをオープンソース化 タブレット製造の..(2011.12.10)

 タブレットの世界はiPadAndroidタブレットがすでに定着しつつあるし、さらにWindows 8によるものも出そうであるから、なかなか新規OSによる参入は難しい情勢になっている。現実的にはiPadの1人勝ち状態で、Androidメーカーもシェア獲得はなかなか難しいようである。HPもそのマーケットをいち早く把握して撤退を決めたのだろうが、かつてのPalmOSの遺伝子を完全に消滅させるのは、いかにも惜しいようにも思われる。そこでオープンソース化による発展に委ねたといえるのだろう。


 ただ実際にタブレットなりに採用されることはあるのか、先行きは暗いのではないか。iPadにしろAndroidにしろ、タブレットだけでなくスマートフォンにも採用されているベースがあるから、iOSAndroidは注目されるし、何よりアプリの開発にも熱が入ることになる。しかし具体的に実装されるハードウェアがなければアプリの開発も進みようがない。


 HPは、やや長期的展望でwebOS復活の機を窺うことになりそうである。今後タブレットとその周辺の状況がどう変わってくるかは見当がつかない。その中でwebOSに関心を持ち続け、再登場の機会を待つ人はどれだけいることになるだろうか。かつてのTRONのOSが、日本の携帯電話では一時期復活を遂げたことを思い出した。