松井秀喜はどこへ行く

 メジャー10年目の松井はどこへ行くのか。とうとう日本のプロ野球ではキャンプ入りする2月になっても、まだ所属球団が決まらない。ダルビッシュがいかに大型契約を結ぼうが、他の日本人メジャー選手の動向がどうあれ、やはり一番気になるのは松井の動向である。各種スポーツ紙も米国紙の予想の記事をめぐって、情報が錯綜しているようだ。投手と野手の違いはあるが、合計メジャー11球団を渡り歩いた野茂の晩年が思いだされるようだ。

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 昨年の松井の成績がメジャー経験の中で最低だったこともあるだろうが、やはり年齢、かつての膝の怪我、DHとしての立場などが獲得に影響しているのだろう。また今年はDH市場そのものが冷え込んでいるという見方もある。松井だけでなく、かつてのチームメートのデーモン、エンゼルスでのDH前任者だったゲレーロなどもまだ所属が決まっていないようだ。マイナー契約まで叩かれるのではないかという悲観的見方さえある。いかに日本よりもフリーエージェントになりやすいとはいえ、松井ほどの打者が所属チームすら決まらないとは、それほどメジャーが厳しいのか、松井が日本で思うほど評価されていないのかわからないが、日本でならば考えられない話ではある。


 どうせなので松井が結局どこに落ち着くことになるのか、予想でもしてみることにする。一部記事ではタイガース、ヤンキース、ブルワーズ、ドジャースなどという話がある。タイガースではプリンス・フィルダーを獲得したので望みがなくなったとのことだったが、フィルダーが一塁に回れば、まだ松井獲得の目があるともいう。マスコミ的な話題性からの期待はヤンキース復帰だろう。しかしDH専属そのものにヤンキースは消極的であるという。ポサダは引退したが、A−ロッドやジーターらベテランを休養も兼ねてDHに回すつもりであるという。もともと3年前に松井がヤンキースに残れなかった状況とあまり変わっていない。松井はDHだけでなくレフトの守備ができるといっても、ヤンキースは以前の怪我の経緯から松井を外野手としては期待していないようだ。


 となると、DHのあるア・リーグばかりでなく、外野手としてナ・リーグにも売り込まなければならない。ブルワーズとの繋がりはよくわからないがフィルダーが抜けたことで、強打者を必要としていることは確かなようである。2011年には斎藤隆が所属し、ナ・リーグ移転後初のリーグ優勝成し遂げたとはいえ、松井の所属チームとしては何となくピンとこない。もう1つは身売り問題で揺れるドジャースである。これもどういう筋から出た話かわからないが、それとは別に松井の代理人であるアーン・テレム氏がドジャースが買収されれば、なんと球団社長に転身する可能性があるという。それが実現すれば社長権限で?松井をドジャースが獲得するかもしれない。ドジャースといえば、前監督が松井のヤンキース時代の恩師であるジョン・トーリ氏であり後任監督もトーリ監督の片腕で同じくヤンキースで打撃コーチだったドン・マッティングリー氏である。松井獲得を期待しているかもしれない。仮にヤンキースに戻ったとしても、ニューヨークのファンの期待はともかく、あまり松井の置かれる立場はよくはないかもしれない。それよりは大穴の可能性のある名門ドジャースで、外野守備でも活躍する松井を見てみたい気がする。