Googleがプライバシーポリシー変更へ
普段、サービスの規約だとか、その提供ベンダーの理念に沿ったプライバシーポリシーを説明した文書などは真面目に読んだりはしないものだが、最近Googleから一連のWebサービスのプライバシーポリシーを更新する予定であることの旨のメールがユーザの元にも届いている(3月1日より)。案の定、あまりピンとこないのだが、米国ではこれに議員が質問をしたり、Microsoftが批判広告を打ったりしている。
MicrosoftがGoogle批判の新聞広告 Googleは反論(ITmedia) Google、プライバシーポリシー変更についてあらためて説明 Google、プライバシーポリシーと利用規約を更新へ..(1.25)
そのココロは「Google 全体で 1 つのポリシー」とのことで、以下のような項目を挙げている。わかったようなわからないような内容なので、覚えを残しておこう。
これまでは Google 全体で 60 を超えるプライバシー ポリシーがありましたが、今回、これらをより短くて読みやすい 1つのポリシーに統一することにいたしました。新しいポリシーは多様なサービスや機能を網羅いたします。これは、シンプルで美しく、直感的なユーザー エクスペリエンスを Google 全体にわたって実現したいという Google の願いの表れです。
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- サービス間を簡単に横断的に使用
- ユーザーに合わせてパーソラナイズ
- 共有やコラボレーションが簡単
- プライバシーの保護は今までと変わりません
直感的に解釈すると、これまではWebサービス単位でそれぞれポリシーを設けていたが、最近はWebサービス間を横断的に利用したり、ユーザ同士のデータの共有やコラボレーション的Webサービスの利用などの場面が多くなっているので、やはりプライバシーポリシーも横断的に統一したものの方が合理的である、ということだろうか。これまでのGmailやCalender中心の発想から、Google+を中核とするSNSのプライバシーポリシーにシフトさせていくというように見える。ただ実際の利用の場面では、ユーザが戸惑うことも出てくるだろう。たとえばGmailのユーザリストをGoolge+のメンバーに取り込もうとすることなどである。以前から思っているが、メールの相手とSNSの相手は根本的に異なる対象であると思えるからである。そこを混乱させないでほしいという思いはある。Facebookなどはメールアドレスでログインはするものの、初めからメールシステムと交わるようなことはないから、ある意味わかりやすい。
Googleが意識しているのは、やはりGoogle+をWebサービスのプラットフォームのようにして、一連のWebサービスの中核に据えたいということだろう。これに対してMicrosoftの批判は、今回のプライバシーポリシーの更新は、ユーザのためでなく広告主のために都合のよいものに過ぎないとしている。そういう面もないとは言えないだろうが、ではMicrosoftはどうなのか、といえばどちらにも問題はあるだろう。無償サービスとユーザのプライバシーの問題は、まだこれからの議論によるところが大きいだろう。