Googleが謎のプロジェクト「Solve for X」

 「プロジェクト X」ならぬ「Solve for X」という謎のプロジェクトをGoogleが立ち上げたという。謎というより、Google自身がどういう方向にプロジェクトを進めるのか、はっきりしていないのではないかと思える。「勤務時間の20%を自分のプロジェクトに充てる」というGoogleの精神を、外部にも広げようとしてとするもので、Googleらしい漠然としたプロジェクトといえばそうかもしれない。

Google、謎のプロジェクト「Solve for X」を立ち上げ(ITmedia)

 ただ「世界的な問題」とはスケールが大きすぎて、いくらラディカルな解決方法の実現といっても、立ち位置が問題で、一企業がどうのこうのということでもあるまい。Googleとしては、コンピュータやネットのことばかりでなく、科学や技術、環境といったことでの社会的貢献もしたいという意識が強いように見える。社内の技術者ばかりではどうしてもカバーできる分野が限られるから、こうしたプロジェクトを立ち上げて、広く外部からも人材を集めたいのかもしれない。


 しかし本当にそれほどよいアイデアを持つ人ならば、簡単にはGoogleとタイアップしてそれを実現させたいとは思わないだろう。要はスポンサードの問題である。それほど世界の問題に取り組みたいのならば、現実的にそれにどれだけの投資ができるかによって、参加する人が増えもするし減りもするだろう。現状ではGoogleは資金力には余裕があるだろうから、こうした大風呂敷を広げることもできる。しかし投資ができなくなれば、ただの夢を語る場にしかならなくなるだろう。Googleの、頻繁に立ち上がけては開発中止に追い込まれたりする多くのプロジェクトと同じようにならなければよいのだが。



Solve for X



Eric Schmidt and Sergey Brin