エルピーダメモリが破綻

 エルピーダメモリがついに経営破綻した。もともと世界市場で競争激化しているところに加え、昨年の震災の影響、タイの洪水、そして急激な円高がトドメになったようだ。日本はDRAM技術に優れると言われてきたが、肝心の経営母体が立ちゆかなくなったのは、デフレで低迷する日本経済の現状を象徴しているかのようである。

エルピーダ、会社更生法の適用申請 負債4480億円(ITmedia)
エルピーダメモリ、会社更生法適用を申請へ-負債額..(CNET Japan)
エルピーダ破綻:「国策会社」守り切れず(毎日jp)

 かつては半導体産業は「産業のコメ」と呼ばれ、いわば基幹産業であった。その微細加工技術で世界をリードしていたが、その技術も次第に周辺国に流れ、何よりコスト面で押される形になった。そこで大手メーカーのDRAM製造部門を集約して国策的に立ち上げたのがエルピーダメモリだった。それだけに国が公的資金を投入するほどだったが、とうとう支えきれなくなった。あながち民主党政権の「2位じゃダメなんですか」的な政策のせいばかりとも言えないだろう。


 このままだと技術はありながら、国内ではかつての基幹産業を失うことになりかねない。その技術ごと海外に流出してしまうことになる。CPUはもともとIntelの1人勝ちになっているし、ソフトウェアもOSからアプリケーションまでほとんど米国発だし、せめてDRAMだけが世界に日本が食い込めるジャンルだと思われてきたが、それすら危うくなってしまっている。かつての技術の貯蓄がどんどん失われてきているように見える。がんばれ日本。