MNP制度を利用して契約・解約の繰り返し

 導入される前には、いろいろと混乱も予想されたMNP(Mobile Number Portability)だったが、蓋を開けてみればたいした混乱もなく、大量に携帯キャリアを乗り換えるようなことはなかった。しかし相変わらずの乗り換え顧客の獲得のために携帯キャリアが設けているキャッシュバックの特典が、ここにきて問題となっているようである。

MNP悪用多発 積み増した販売店報奨金が助長、..(ITmedia)

 一度携帯キャリアを決めてしまったら、よほどのことがない限り変更はしない人もいるが、逆に機種変更する度にコロコロとあまりこだわらずに乗り換える人もいる。料金はもちろん、iPhoneがほしいからソフトバンクへというのはその典型である。しかし携帯キャリアは継続する顧客よりは乗り換え顧客の方を大事にする。そこで乗り換えの際の手続きの融通やらキャッシュバックまで行うという。このキャッシュバックをうまく利用すると、なんと契約、解約を繰り返すと得になるというのだから、やや呆れるところだ。乗り換えをしないまでも、どうにか月額利用料が少なくなるように、その時点でのプランを組もうとするわけだから、違法ではないのだから乗り換え利用者に「悪用」と責めるばかりにもいかないのではないか。


 携帯キャリアのキャッシュバックがやり過ぎともいえるが、根本はまだまだ回線の使用料金が高すぎることが原因であろう。そんなキャッシュバックするだけの余裕があるのなら既存ユーザの利用料を1円でも値下げしてほしいものだ。最近、各社のWi-fiルータの月額利用料金を比較してみたが、ドコモを初め、高くて呆れた。ドコモの担当者でさえ高いことを認めていた。もはや「電話」独自のネットワークではなくて、インターネットの回線なのだから、無線というだけでそんなに高いのはおかしい時代になっていると思える。ネットの進化の一番の足かせになっているのは携帯キャリアではないかと思えるほどである。