ソニーがChromebookを準備中
もう忘れ去られつつあると思われているChrome OSだが、ソニーが米国向けにChromebookを準備しているという。すでにSamsungとAcerが販売しているとはいうものの、どういう意義があるのだろうか。
ソニーがGoogleのChromebookを準備中..(ITmedia)
ネットブックがブームだった頃に計画が発表されたのが、ブラウザのChromeをベースとしたOSであるChrome OSだった。クラウドが立ち上がった時期でもあり、Windowsを必要とせず、ブラウザからクラウドにアクセスするものであり、Windowsのセキュリティ不安も避けられるシンクライアント的な意味合いもあった。ネットブックでも高速に動作することが売りでもあり、この時期にタイムリーに登場していれば、あるいは流れも変わっていたかもしれない。
しかしChrome OSがなかなか正式に登場しないうちに、iPadによってタブレットがブームとなり、それとともにネットブックのブームもあっというまに去った。要因はいろいろあっただろうが、簡単にいえば、販売のためにネットブックがWindowsから離れられなかったことにあるだろう。ネットブックは結局、ノートPC市場の価格破壊を起こしたことで終わった。
タブレットが異なるのはWindowsから脱却していることである。PCからではなく、スマートフォンから出てきたことが大きい。もっともタブレットはネットブックとは全くコンセプトが違うものである。しかしトレンドははスマートフォンやタブレットに完全に移りつつある。PCそのものすら、一部の「開発用」の限定されたポジションになっていくかもしれない。
そんな時代になって、あえてChromebookを新規に投入するのはどういうメリットがあるのだろうか。それも日本国内ではなく米国向けである。もっともソニーはタブレットも発売しているわけだから、多面的に投入して当たりそうなものを模索しているのかもしれない。スマートフォンにしろタブレットにしろ、Androidのメーカーは、現実にはしのぎを削る厳しい市場の状況ではある。そんな中でChromebookの存在意義をどこかに見出していくことはできるだろうか。