高速通信「クラウド コネクト」

 TCP/IPによる通信は普遍的なものになったが、いくら回線が速くなったとしても原理的に遅いのがTCPプロトコルである。これをまさにクラウド時代、ビッグデータ時代に対応して独自プロトコルによる仮想ネットワークで高速化できるという試みがある。

ファイルをTCPの30倍で転送―独自プロトコルによる..(ITmedia)

 それがクラウドサービスである「データホテルクラウド コネクト」という。独自プロトコルは「Skeed Silver Bullet Protocol」(SSBP)という。それによると従来のTCPを使ったファイル転送の20〜30倍の転送スピードが出るという。


 「データセンター」ならぬ「データホテル」という企業名のネーミングはあまりピンとこないが、簡単にいえば国を跨いだクラウド間のP2Pによるファイル転送といえるのだろうか。一般的なTCPによるファイル転送ではいわゆる「3ウェイハンドシェイク」によるパケット通信のチェックが頻繁に起こることから遅延が生じる。これは回線スピードの問題ではなくプロトコルの問題である。これをクラウド間同士の通信は、いわば「専用回線」のように、独自の方式にして構わないという考え方のようだ。クラウド間を独自の内部ネットのようにすると言ってもよいだろうか。いずれにしても仮想化技術が進んでいるから独自プロトコルも仮想ネットークには適用しやすいのだろう。


 開発したSkeedは、Winnyの開発者が創設したベンチャー企業だという。個人レベルでのP2Pは社会的にはおかしなことになったが、クラウド時代おいえる、ビッグデータ時代に新たな発想のものへと繋がったものだとすれば、それは意義のあることだったといえるかもしれない。