存在感が薄いスマホの日本メーカー

 シャープの凋落に象徴されている日本のメーカーの不振は、スマートフォンタブレットの国内メーカーについてもそのまま当てはまっている。もはやPCの時代ではなくなっているが、代わって中核になっているのがスマホタブレットなのだが、日本のメーカーから威勢のいい話は聞こえてこない。

スマホで日本メーカー「蚊帳の外」世界シェア6%、薄い存在感(ITmedia)

 つい数年前まではガラパゴスケータイの是非が言われていたが、それは国内だけで独自の進化を遂げたことと、国際的に孤立していることの両面を意味することだった。iPhoneが登場した頃の日本のケータイに比べれば機能やサービスに劣るような議論さえあった。


 しかし世界の流れはスマートフォンの普及であり、日本でもパケット代などの障害はありながらも着実に普及が進んできた。ところがそこで日本のメーカーは国内でももはや主流でなくなってしまった。ソフトバンクiPhoneを軸にしているのはともかく、ドコモが推すのが国産ではなくGalaxyなどになってしまっているのは、昔からのドコモユーザにとっては、あまり納得のいくことではない。「世界的に」がガラケーの経緯から無理であるにしろ、国内的には世界に負けない技術水準の機種を期待したからである。かつてNokiaのケータイを寄せ付けなかったようにである。


 元々国内的には小さいパイに多くのメーカーがひしめき合っている構図だったが、さすがに国内でのスマホのシェアさえままならないのであれば、業界も再編せざるをえない状況に追い込まれるのは当然ではある。誰も使わなくなってきてシェアがなくなっている物ならともかく、誰もが購入、利用してこの不況でもシェアが伸び続けるはずの分野では情けない話ではある。