FacebookがInstagram買収を完了
投稿写真サービスといえば、FlickrやPiccasaが思い浮かぶが、一昨年秋から始まったiPhoneアプリ用のInstagramが急成長しており(4月からAndroidにも対応)、Facebookが買収を完了した。スマートフォン、SNS時代に対応した流れといえそうだ。
Facebook、Instagram買収を完了 アプリからの..(ITmedia) Instagram急成長の一方、Myspaceが圏外落ちの危機に(8.27) Instagram、Android版をリリース(2012.4.4) ヤフーがどのようにFlickrをダメにしたのか?..(GIZMODO 6.14)
デジタルカメラで撮影したものをUSBケーブルでPCに取り込んだり、携帯電話で写メする、という形態がすでに古い発想になっている。現在はスマートフォンで撮影した写真をそのまま投稿写真サービスにアップしてSNSでリアルタイムで共有する。それらはスマートフォンだけで完結することができる。もちろん既存の投稿写真サービスとの共有もできる。iPhoneやAndroidの普及がまさにInstagramの急成長した要因となっている。位置づけとしては、twitterの写真版といったところである。個々の写真というより、一連の写真のストリームが重要になるのだろう。現場からのリアルタイムでの報告などにはうってつけであろう。
さて時代の流れは早いもので、何年か前はこの分野ではFlickrが話題であったが、どうも最近はあまり評判を聞かなくなった。国内的には日本語版がないことも理由にあるかもしれないが、根本的原因はSNS化の波に乗れなかったことのようである。それはFlickrを買収したYahoo!にSNSがなかったことが大きい。買収後は基本的にYahoo!のIDを要求するのもあまり評判はよくなかったようだ(Yahoo!JapanのIDではログインできず、Facebook、GoogleのIDでは可能)。「友人と写真を共有したい」ためには、スマートフォンの時代になると、ユーザはFlickr+Yahoo!ではなくIntagram+Facebookへと移っていったのである。単なる写真保管場所としても、多くのクラウドのストレージサービスに遅れをとることになったようだ。保管するだけなら写真だけでない、一般ファイルも同時に保管できるストレージの方が良いに決まっている。7月のユニーク訪問者数ランキングで1位Google、2位Microsoft、3位Facebookだが、4位のFacebookがこうしたIntagramの効果もあって、Yahoo!を抜いて3位に浮上しそうだという事実が象徴的である。
SNS、クラウドサービスの大きな流れが、すでに何年か前まで注目だったサービスさえも落としつつある典型のようである。自分もこれまで、いわゆる「クラウド型サービス」の例としてFlickrを持ち上げていた考えを修正しなければならないようだ(「クラウド型」は本当の意味での「クラウド」になっていない)。もう1つはSNSではFacebookに先行していたMyspaceの凋落である。こちらはFlickr以前からその兆候はすでに見えていた。Facebookとなぜこんなに差がついたのか、という議論さえ過去のものになった気がする。