Kindleストアが国内電子書籍ストアでトップに

 Kidle Fireの日本版の発売がなされたばかりだが、その背景となる電子書籍市場でKindleストアが、たった2ヶ月で早くもトップに立ったという。いよいよ国内の書店や出版社、ネットショップにとっては厳しい時代の幕開けとなってくるのだろうか。

国内電子書籍ストア利用率、Kindleストアが4割でトップに〜OnDeck調査(INTERNET Watch)

 これまでのところ、首位だった紀伊国屋書店BookWebPlus以下には変動がなく、利用率は上げているという。これをもって「Kindleストアの日本参入は、既存ストアのシェアを浸食せずに、新たな市場を作り上げた」としているが本当にそうだろうか。多分に既存ストアに配慮した分析コメントのような気もする。


 なるほど、Kindleストアばがりでなく、電子書籍市場全体が大きくする効果を上げ、他のストアもその恩恵に与ったと見えるかもしれない。。しかし電子書籍市場全体が広がったとすれば、反面それは紙の書籍の市場が縮小したことになる。既存の書店や出版社はその減収、減益があるはずなのである。これまでの紙の書籍の売り上げ分がそのまま電子書籍の売り上げに転換すればよいが、そこをAmazonに食われてしまっている可能性が大きい。紙の書籍の新刊本が売れなくなったという話はよく聞くが、電子書籍市場の急速な伸びによってさらにこの傾向が大きくなるだろう。紙か電子かの選択ではなくて、もはや出版の構造そのものの変革が求められる時代になっている。


 楽天Amazonに対抗して、楽天koboと独自に電子書籍リーダーを出荷しているが、いかんせん日本国内ローカルのものであるから、長い目で見た時には難しいのではないか。現状ではKindleストア登場の直撃を受けた形で、やや利用率を落としている。むしろAmazonと差別化する日本独自の何かが必要なのではないか。