世界のPC出荷台数がタブレットの影響で減少

 ある程度予想されたこととはいえ、昨年末(10-12月)の世界のPC出荷台数が前年の4.9%も減少したという。時期的に考えればタブレットの普及が影響し、また同時期に出荷されたWindows 8はPCの出荷台数の増加には繋がらなかったといえそうだ。

世界PC出荷台数、タブレットの影響で4.9%減の..(ITmedia)

 すでに議論があるように、タブレットはPCの完全に代替となるものではない。ユーザがPCとタブレットのどちらを買うかは目的による。iPadの成功を後追いしたAndroidタブレットは多くの種類のものが出たが、コンセプトがはっきりしないものが多く、Windows PCと比較するレベルではなかった。


 しかし昨年からAmazonKindle FireGoogleNexus 7などコンセプトがはっきりした低価格のAndroidタブレットが出荷するに至り、あたらめてこれまでPCで行なってきたことでタブレットでできることはタブレットで行うという利用の仕方が根付いてきたのではないか。PCの前に座って何でもやるよりは、立ったままでも簡単にできてしまうようなことはタブレットでやる。フットワークの軽いWi-Fiによるモバイル感覚の浸透も大きい。またスマートフォンとの相乗効果も大きいだろう。


 Windowsタブレットも出てくるだろうが、もはやPCのWindowsが中心の時代からの脱却となってきそうである。ようやくPCといえばOfficeの操作という世界観からの脱却である。ソフトウェアを入れてから何をするか考えるではなくて、やりたいことをするためのアプリなりサービスを見つけるのがタブレットの世界であるようにも思える。電子書籍を読みたい、ゲームをしたい、メディアを鑑賞したいなど、タブレットの方が一般ユーザにはとっつきやすいし、少なくとも生活周辺の情報のやりとりではそれで十分である。PCの方はより創造的な仕事、開発などに使われるように特化していくだろう。昔のワークステーションと似た立場になっていくだろう。PCとタブレットの関係においては、転換点となる年を迎えたのかもしれない。